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平々凡々に暮らしたい~異世界転生を300回繰り返した結果~  作者: 活字中毒者
ハジマリの霊視官
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ミクの勘

本日一話目








 7月13日の前々日。7月11日。土曜日。この時点で世間の一般公開より早くリクと新しい転校生であるヒカル(転校してくること自体は知っていた)のことについて知らされたキサラギ第一高校の職員室は、驚愕と慌しさに満ちていた。


 ただの転校生というだけでも高校では珍しく事務処理が多いのに、リクが若干16歳にして日本で二人目の第一級霊視官になり、かつ、そのためのキサラギ第一高校の警備状況の報告や、場合によっては(そしておそらく確実に)施されるであろう警備の増強の話。


 その話が一斉に来た挙句、マスコミ関連の対応策の準備も含めて莫大な量の仕事が一斉に増えたのだ。


 唯一ありがたいのは世界霊視能力者管理組合の方から少なくない手当てが出るというところだろう。それが無ければ、文字通りの休日出勤のただ働きである。


 慌しい職員室の動きや、見慣れない業者による校内の作業点検など、この時点でなにかあると気が付いていた生徒たちは多かったが、それをここのところ立て続けに休んでいるリクに結びつけるものは、(一部の例外を除いて)いなかった。


 そう、本来ならいないはずなのだ。労働基準監督署の父の珍しい休日出勤と、リクのここのところの休みと、それと校内の慌しさを結び付けて、リクの前のアパートに直行し、リクが引っ越していることに気が付く人間なんて・・・


 すぐに悪友のタケルを呼び出して、謎の勘を当てまくってリク(とヒカル)の新居にたどり着ける広報部員のミク(バグ)という存在など・・普通ならありえない存在なのだ。


 しかも、あろうことか、新しいマンションの場所など一切伝えていないにもかかわらず、リクのマンションの前で不審者と間違えられて、ミクとタケルは警備員に捕まっていた。


「あ、ほら!本人来た!ほらリクに聞けばわかるって!」


「おーい、リク。みずくせえじゃねえか、引っ越すこと言ってくれれば手伝いぐらいしたのによ」


ようやく食器の類が出し終わり、食事の準備に近くのスーパーに買い物に出ていたリクはあっけにとられ・・・そして他人のふりをした。


「あ!にげた!ねえ、待ってよ。リク!」


「おーい、リクこのままいくとマジでつかまっちまいそうなんだわ。謝るから助けてくれねえか?」


 無論リクはそれも無視しようとしたが、ここにきて無視をしなかったヒカル(アホ)がいた。


「えっと、リク。いいの?なんか呼ばれているけど?」


「人違いだ」


「おーい。そりゃねえぜ。リク。というか隣の美少女だれよ?紹介してくれや」


「うんうん。ボクもそれは知りたいかな。っていうか本当に助けて」


 戸惑っている警備員をよそにリクは警備員に向けていった。


「その二人俺とは無関係なんで、迷わず組合と警察に連絡してください」


「あっ!ちょっと待ってリク。ボク謝るから!まじで謝るから!」


「そうだぜ?リク。本当にここのところ仕事とはいえ立て続けに学校休んでいたみたいだから気になってきたんだよ」


「うるさい!アホ。ああ、すみませんマジで警察呼んでいいんで」


 しかし、その慣れた態度が逆にリクの本当の知り合いだと理解させたのだろう。警備員はつかんでいた腕をはなした。


「ねえ。リク。誰かは知らないけど友達なんでしょ?別に悪い人じゃないみたいだし、中に入れてあげれば?」


「・・・・ハア。悪い奴らじゃないけれど、面倒な奴らではあるんだよ」


 四面楚歌な状況を感じたリクは、仕方なく4人で新居に移ることになるのであった。







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