すれ違い
本日一話目。
今日はあと2話投稿する予定です。
ただ、次の話が長ければ切ると思います。
「アカリさん。ヒカルさん起きました?・・・って、なにこの状況」
「えっ?あ?リっくん!!入るならノックぐらいしてよ!」
リクが医務室に入ると体を起こしたヒカルの体にアカリが抱き着いていた。どうやら2人は仲良く寝ていたらしい。
「しましたが・・・答えがなかったもので」
「え?ヒカルちゃんは?あ・・・寝てる」
「二人仲良く寝ていたみたいですね。ヒカルさん、起きてください」
「もうちょっと寝かせてあげてても・・・」
「むこうがそうも言っていられないみたいなので・・・」
リクは眉をひそめながらそう言った。
「むこうって?ああ、ヒカルちゃんのパパさんか」
「ええ、ま。当然と言えば当然ですが、かなりキレているみたいで、検査室まで怒りの思念波が・・・もっとも、高位の霊視官じゃないと気が付かないレベルでしょうが・・」
「ハア・・仕方がないか。誰が対応しているの?」
「支部長とツカサさんが閉鎖室で行っています」
ちなみに思念波閉鎖室とは、霊視を用いて詳しい検査を行うときによく用いられるものであり、外部からの思念波の影響を無視して実験を行い時などに用いられる。
一方で組合では、重要であり、かつ人間関係が荒れていて怒りの思念波があふれそうな会議などを行う時、他の霊視官たちの霊視能力に影響がないように用いられている。
組合の個室はほぼ全てが簡易の閉鎖室となっており、霊視官たちが気疲れしないように対応しているが、ツカサたちが話しているのは完全閉鎖室である。
ただし、完全とはいってもある程度強い思念波になると防ぎ切れない。今回はまさにそんな状況なのである。
このままこの状況が続けば未熟な霊視官補佐達に悪影響が出るのは確実だ。
「それでか・・・ツカサちゃんは外した方がいいんじゃなかったかな?」
「理由はわかりませんが、なぜかムキになっているようでして・・・」
「そりゃあ、うちで一番の霊視官補佐に組合を通さず無理やり仕事を依頼した挙句、外部からいきなりリっくんの護衛に立候補するとか・・・何か裏があるって言っているようなものだしねぇ。
ヒカルちゃんはともかく、タツヤさんには私も思うことがあるし・・・ツカサちゃんはリっくんのこと弟みたいに大事にしているからね~。ムキにもなるよ」
「え?」
「え?」
2人は互いになにを述べているのかわからず、疑問符を浮かべた。
沈黙が広がる中、先に口を割ったのはリクである。
「無理やりって・・ミクルを通して話はついていたのでは?それに師匠とミクルが護衛依頼を出したって聞いていますけど?」
「はい?」
「・・・・えっ、ちょっと待ってください。本当に情報いってないんですか?前回の俺への依頼の時もミクルはいましたし、護衛のお願いした時もその場にミクルがいたって聞いていたものですから、話は通っているものとばかり・・・」
「もしかして・・・ヤバイ?」
アカリが顔を青くしながらそう言った。
「もしかしなくてもヤバいですね。だからヒカルに仲裁してもらおうかと・・・」
「ヒカルちゃーん!早く起きて!あなたが起きないと本当に不味いのよ!」
アカリは先ほどまでのヒカルへの優しい態度はどこへ行ったのか。慌ててヒカルを叩き起こした。
「ふぉえ?」
二人の慌てた顔をよそに、ヒカルは間抜けな顔をしてようやく目を覚ますのであった。




