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平々凡々に暮らしたい~異世界転生を300回繰り返した結果~  作者: 活字中毒者
ハジマリの霊視官
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リクのお仕事と魔法のある世界について

説明回が長すぎる・・・スマソ

一部修正しました。

あとがきに修正内容が書かれています。





 魔法のある世界の授業には、当然のごとく一般教養(座学)に加えて、魔法(実習)の授業と魔法学(座学)の授業がある。実習は大きく『霊視』『放出』『身体強化』の授業に分かれる。この分け方は主に魔法の性質に大きく関わっている。


魔法とはいわば『思念波(魔力波)を放出して物質を操る技術(いわゆるPK)』である。無から有を生み出すことは無い。正確に言うとそのような世界にリクは生まれたことがない。


 それどころか『魔法のない世界』には、最初のリクの記憶にある『地球』を除いて今まであったことがない。


 どちらかというと病原菌が広く蔓延していた地球では、個人が持つ魔法のポテンシャルのすべてを『身体強化』に費やさざるを得なかっただけで、『地球』にも『魔法』はあったのではないかと思っている。


 その証拠、といってはあれだが『魔法のある世界』では病気の類が非常に少ない。また、『魔法』があること以外は、物理法則もほぼ同じである。


 (なので『魔法』のある世界というよりは、地球では解明されていない『法則』を知る世界という方が正しいかもしれないが、わかりやすさのために以降も『地球では人類に観測されていない事象』のことを『魔法』と呼称する)


 さて、話を『魔法』の三大要素である『霊視』『放出』『身体強化』に移そうと思う。


 まず『霊視』。これは『思念波(魔力波)』を感知する能力のことで、この能力が低いと外敵の魔法を感知できず危険である。簡単に言えば魔法で攻撃されても誰に攻撃されたのかわからないため反撃のしようがない、ということである。


 加えて、この能力が低いと魔法のコントロールがうまくいかず、暴発の可能性もあるので非常に重要な要素である。


 この能力は主に、魔法による犯罪の捜査や、魔法の研究で重要視される。熟練の霊視能力者は犯罪者の思念波の乱れから犯人が分かるというのは有名な事実である。


 (意思や感情で操作される思念波は逆に言うと、感情や思考を反映するので、犯人が誰かすぐわかる、ということである。半面、高位の霊視能力者は他人の負の感情にさらされることが多いので人間嫌いが多い)


 2つ目の『放出』。『思念波(魔力波)』を放出して実際に物質を操る能力のことである。


 この『放出』はさらに『強度』『速度』『距離』の3要素に分けられる。


 『強度』が強ければ大きな質量の物質の操作が可能であり、弱ければ操れる物質の質量が減る。


 『速度』は『思念波(魔力波)』を投射してから実際に物質を操るまでにかかる時間のことであり戦闘においては重要な要素である。


 『距離』は実際に物質を操ることができる距離のことである。『思念波(魔力波)』は距離の二乗に反比例して減衰していく性質があり、『距離』の能力が低いほど遠くのモノを操作できない、ということである。


 3つ目の『身体強化』。これは体内の魔力をコントロールし、魔法抵抗能力を高める技術である。これに長けているものほど病気になりにくく長寿であることで知られている。


 『強化』とはいっても、走るのが早くなる、力が強くなるということはない。


 (自分の体をPKにより加速させる魔法(というか特異体質)はあるが、『身体強化』とは分類が別である。また使えるものはほとんどいない。正確には習得に一生を費やし、それでもできるかどうかもわからないため学ぶものがほとんどいない)。


 時代によってはあまり重要視されてこなかった技術ではあるが、『放出』の能力の効果を重要視し近親相姦で血族の強化を図った統治者の血族が、反抗勢力に直接体内の血液を操作され、心臓に血栓を作られ暗殺。最終的にその血族が滅んだという歴史はあまりにも有名であり、今では軽視するバカはいない。


 もっとも暗殺者側の『放出』能力と敵の『身体強化』のランク差で最低4ランクないと成立しない暗殺方法であり、現代では、近親相姦でもして体(というか遺伝子)に異常を抱えた子供でもない限り、まずありえない。単純に長生きのためにも鍛えている有名人や著名人も多い。


 さて、ここまではこれから話す本題の前座である。魔法のある世界の中で社会として最も重要な要素は上記のうちどれか?


 もちろん、立場やついている職種、信仰している宗教によっても違うだろう。しかし、社会が、もっと言えば国家がもっとも重視している要素は何か?それは『霊視』である。


 社会が成熟していくにつれ人口が増え、秩序が必要となる。かつての地球であれば武力で秩序が形成されたかもしれないが、魔法のある世界とは言ってしまえば、個人が銃を持って生まれてくる世界である。


 ある個人を魔法の能力不足から蔑ろにしたとして、その個人から生まれた子供はどうなるのか?蔑ろにされた個人が育てる子供である。


 もしかしたら幼子がよく起こす魔法の暴発を利用してテロを起こすかもしれない。赤子を文字通り爆弾と化す。そんなイカレタ人物は残念なことにどの世界にも、いる。


 ゆえに魔法のある世界では格差の是正が社会秩序を維持するうえで重要な要素であり、また、そのためにも教育は社会全体で行うものでなくてはならない。


 実際の武力に直結しそうな『放出』はどうなのか?そう思うかもしれない。


 しかし実際は、社会が成熟していくにつれ、魔道具(魔法発動の補助をする道具)が発達していくので、『放出』の相対的な重要度が低下する。ゆえに魔法のある世界においては『地球』でいうところの『俺tueee』はできない。


 結果として、魔道具の開発や魔法による犯罪の捜査、および犯罪者予備軍の把握に重要である『高位霊視能力者』(Bランク以上の『霊視』能力保有者のこと。その能力を生かした『霊視官』という職業もある)は厚遇され、保護されていくようになる。


 もっとも有能であればあるほど、比例してクソ忙しくなることも事実である。


 長々とこの世界(正確にはリクが生きてきた世界すべて)における、『魔法』について述べたが、最終的に何が言いたいのかというと、高位の霊視能力者は重要な人材であり、付け加えると希少である、ということだ。





 つまり・・・


 (霊視官足りてなさすぎだろ!保護法(正確には『未成年者における高位霊視能力者の育成、および個人情報の保護に関する法案』)はどこ行ったんだよ・・・)


 (しかたありません。事件ですから)


 こういうことである。


 時刻は夜の22時。サポート用の人造魂魄であるミオと念話で口喧嘩をしながら、リクは霊視官補佐の制服に着替え、変装用のウィッグとサングラスをつけ幻影符(思念波の波形特性をごまかすもの)を使用する。


 リクはつい先ほど、知り合いの刑事に事件現場の霊視に来るように要請を受けたのだ。


 (ちなみに幻影符は、犯罪に使用されると、魔法を使った人物が特定しにくくなるため、許可のない所有は厳罰である。また、文字通り光速で移動する光そのものを操り幻影を生み出す魔法はまだこの世界では知られていない)


 これでリクの姿は霊視官補佐の姿へと様変わりする。


 未成年である霊視官補佐(成年になり、試験に合格すると自動的に高ランクの霊視能力者は『霊視官』として世界共通資格を得る(登録は義務である))は犯罪捜査の職務の時、思念波から個人を特定されないように幻影符を使用することが義務化されているのだ。






 ここで魔法の世界の未成年者の扱いについて話しておこうと思う。多くの魔法のある世界では子供は未成年であっても働いていることが普通である。


 理由として魔法は訓練すればするほど能力が伸びやすいこと。つまり仕事に魔法を使用してもらうことで教育費を減らしつつ、有能な魔法師になってもらうためだ。


 なによりそうしないと政府の財政が傾くためでもある。


 多くの魔法のある世界では、一定の年収以下の家庭の子供に対する支援金を大きくし、生まれた家庭によって子供のころの生活の格差を減らす努力をしている。


 これには当然非常に金がかかるので、一定年齢に達した未成年者の労働を政府が推進しているのだ。(未成年者が働いて得た賃金は一定金額までは非課税、などとする法律がある)


 なぜ、そこまで格差是正に拘るのか。それは先ほども述べたが、子供時代の格差が大きいと、反社会的な魔法師に育ちやすいことが統計的に確認されているためだ。


 『反社会的な魔法師』=『魔法という武力を持つテロリスト』という構図になりかねないため、治安維持の観点からも社会全体で子育てをするという体制が整っているのだ。


 そういう背景もあり、実のところ孤児院育ちのリクも、仕事があるのは有難かった。が、


(だからって忙しすぎだろ!)


(生活環境の向上のため、自分で1人暮らしをするため。仕事を幼少期から馬鹿みたいに入れたのはリク様では?)


(そうだけど!他の奴ら(他の人造魂魄たちのこと)だって賛成していただろ!)


(サポート用、かつ『知』の人造魂魄である私を除き、『芸』、『戦』、『食』、『医』を司る彼らが、彼ら自身の研究のため経済的、時間的資源を欲するのは当然かと。彼らが本気を出すには研究のための時間と、なにより金が必要ですから)


(あー、あいつらは今?)


(過去の知識の整理と、研究を行っています)


(おかしいだろ!俺が楽をするために生み出したのに!)


(その話はすでに12381回目ですね)


(ああ!そうかい!)


 そんなことを言いながら、リクは移動用の魔道バイクにのりこみ魔道情報端末で連絡のあった事件現場に急行するのであった。






こんな感じで話は進みます。

とにかく設定を細かく作っていたら膨大な量の説明回ができてしまった。

次はリクのお仕事の話です。


修正後

 リクはつい先ほど、知り合いの刑事に事件現場の霊視に来るように要請を受けたのだ。


の一文が追加されています。

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