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平々凡々に暮らしたい~異世界転生を300回繰り返した結果~  作者: 活字中毒者
ハジマリの霊視官
19/81

裏話

そろそろ1000PV行きそうです!

わーい。

本日1話目です。





「それではよろしいか?」


「異議なし」


「うむ。あれほどの立体機動ができるのなら、もはや保護対象にする必要もあるまい。襲われてもすぐに逃げられるし、そもそも彼は既に彼自身を狙う襲撃者を数度撃退している」


「しかり。彼ほどの人材には有意義に働いてもらわなくては困る。ただでさえ先の一件で他の国の奴らも彼には目をつけているようであるし」


「しかし実力、人格。ともに問題ないと言えど、最低限の護衛は必要では?公表するのであれば他の高位霊視官と同じように護衛を選定しないと」


「その件か・・・霊視官というのも難儀なものよ。護衛など役目をはたせば誰でもよかろうに」


「そうも言ってられません。下手な護衛をつければ霊視官本人が摩耗して使い物にならなくなりますし、なにより組合がうるさい」


「それでしたら面白い人材がいますよ。もっとも、仕事先で彼自身が見つけた人材ですけどね」


 50年代の高い権力を持つ威厳ある魔法師たちの会話の中に、唐突に若い男性の声が割って入った。


「キミか。代理殿」


「一体キミの師匠はいつになったらこの会議にちゃんと参加するのかね?」


「あれ?いいんですか?うちの師匠がこの会議に参加しても」


 ニヤリと笑いながら不敵に若い男性はこたえた。


「ッ、我々を侮辱するか!」


「はて?なんのことやら」


 若い男の正体はミクルだ。そしてミクルの師匠というのは当然リクに師匠でもある世界最高の霊視官と言われているレイジのことである。


 高位の霊視官が会議に参加することを拒否する。心を読めるとされる高位の霊視官の参加を拒否することは、それだけでなにか後ろ暗いことがあると自白するのと同じだ。そんなこの世界で、彼の発言は立派な侮辱にあたる。もっとも、知ったことではないと言わんばかりに、若い男は受け流していたが。


「代理の分際で!」


「やめんか!見苦しい。代理殿われらにキミの師匠を排除する意思はない。滅多なことは言わないでもらいたい」


 怒った壮年の男を、どっしりとした声の持ち主の男性が止めた。


「はい。すみません、口が悪いもので」


 さすがにその人物を前にふざけた態度はとれないのか、彼は口をつぐんだ。


「それで?面白い人材とは?」


 その言葉に男は魔道端末を操作し、スクリーンにある少女を映し出した。


「ううむ」


「なるほど・・・アレの娘か」


「どうです?まだ若いですが、出自はちゃんとしていますし、能力の方もこれから伸びます」


「フン。逆に言えば、今はそれほど高くないということだろう。私は反対だ」


「いや、しかし、うまくいけば彼の能力なら気功術に関してなにかが分かるかもしれん」


「たしかに、それは大きいメリットですな」


「しかし・・・」


「なにも護衛を1人にする必要はないでしょう。この少女を表向きの護衛として置き、裏にもう1人護衛を置けばいいのではないかしら?」


「確かに・・」


「しかし」


 その後、10分ほどの議論を経て、若い男と別の会議の参加者の諍いを止めた男が締めくくる。


「では決を採る。リク霊視官補佐を彼の実力を鑑みて、保護法の特例を用い霊視官補佐から霊視官へと格上げする。加えてヒカル気功師見習いを表向きの護衛とし、それとは別に影の護衛を配置すること。異論のあるものは?・・・・・いないな。


ではミクル特務霊視官殿。彼と組合への伝達は保護法の定める通り、彼の師匠であるレイジ・・・は欠席なので、その代理として、キミに頼もうと思うが、よろしいか」


「ええ、もちろんです」


 ミクルはにやにやと笑いながら言った。


「ではそのように。これにて今回の会議を終了する。解散してよし」


 その言葉に全員が一斉に立ち上がり、その男に礼をした後、三々五々に帰っていく。


 1人残った会議室で、男はつぶやいた。


「どうやらキミが普通に暮らしたいとは言っても、世間はそれを許さないらしい。リク君」


 その男、シゲルは窓から外を見ながらそうぼやいた。


「彼の機嫌が悪くならないと良いが・・・ま、なるようにしかならんだろう」


 リクの知らないところで、リクの予感通りリクにとって悪い状況へと自体は変化しているのであった。








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