リク、キレる
本日3話目。
前々話から未読の方は注意してください。
「おい!足引っ張んじゃねえぞ!」
苛立ちを含んだ言葉。
「少なくとも最後まで残ってね?」
心配ではなく、自分の体力の実を考えていることが丸わかりの言葉。
「ッチ」
苛立ちを含んだ視線と、無言の圧力。
(ま~、来るわ、来るわ。やりたくもないことを無理やりさせといて、この仕打ち・・ハハハ、マジデキレソウ)
キャプテンであるジンが離れた途端、来るわ来るわ。チームメイトからの圧力が・・・
そして、試合が始まりなし崩し的にディフェンダーの役割を押し付けられたリクだったが、まー、見事にボールが来ないこと。
相手選手がねらい目とばかりに突っ込んでくるので守ろうとすれば、お前なんか役にはたたんと言わんばかりに、『味方の』ディフェンダーがリクの邪魔をしてくるのだ。
相手選手との接触が禁止されている(さすがにそこを許可すると危なすぎるため、その辺はハンドボールとルールが違う)スカイボールで、味方がリクを突き飛ばしてくるのだから、やってられない。
そして唯一味方になってくれそうなジンは、オフェンスで孤軍奮闘しながらも、面白そうにその様子を見つめていた。タケルはともかく、アスカさえも注意するつもりはないらしい。
「・・・ハ。ハハハ」
リクは念話のつもりが、声に出していることに気が付いていなかった。
(これは・・・やばいですね。みなさん、全力でバックアップの準備をしてください)
(うむ、さすがに我が主に対してこの周囲の扱いは目に余るのである)
(ケンさん・・わかっていると思いますが・・)
(わかっておる。秘匿技術の流出防止を第一に、であろう)
(ええ、ザクさんは・・・)
(身体の保護。最悪、気絶させる)
(お願いします。申し訳ありませんが、リサさんとミサさんは)
(ん、リクの負担にならないように大人しくしてる)
(私は、リクさんが起きた時に流す音楽でも考えていましょう)
(感謝します、では・・・)
人造魂魄たちによる話し合いが終わるとほぼ同時に・・・
(プツン)
と、リクの中でなにかが切れた音がした。




