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Ghost Ability  作者: 紫乃
Season 3
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美しき蝶 ②


翼が桜雅を呼び出すなんて。何がどうやったら呼び出すことができるのか。


あいつはもう、“ 死んでる ” 。



「一禾。」


「翼は…」


「桜雅は嘘をつかない。俺は知ってるから。」



あいつは嘘がつけない。それは、俺も知っている事実。

あいつが嘘をつけるようになったら、俺も騙されるだろう。


….ってなったら今回は?



「今回ははずれですね。本当に呼ばれてるんだから。」


「…桜雅。」


「盗み聞きはダメでしょ、桜雅。」



影を隠し、心を読み、静かに侵入する心の隙間。誰も入れないような、狭い隙間に入り込む。

こいつには何も隠せないし、嘘なんてつけない。



「翼からというよりかは、ね…?」


「うん。」



みんな分かっているのに、言葉に出せない。というより、出さない。

それは、言っちゃいけない言葉だから。


そんな中、ふわっと香るはちみつの香り。



「…来る。」


「うん。」



ふわっと風が吹いたのと同時に、現れたスーツの男。肩に黒い羽をくっつけて、背中にあった黒い翼をしまった。

どこか、辺りも暗くなっていて、あったと違う雰囲気を漂わせている。



「…お疲れ様です。」


『真紅と冷炭からの伝言だ。3人まとめてあいつの会議に来い。』



それだけ言って、また黒い翼で羽ばたいたかと思えば、体を縮めて、からすと化する。


香りは甘いのに、塩みたい。砂糖みたく、何もかも甘くはうまくいかない。


“ あいつの会議 ” 。彼は間違いなくそう言った。



「来たじゃん。これほどめんどくさいものはないけど。」



めんどくさい、ね。難しいものほど、何もしたくないの。それはきっと、みんな一緒なはずで。



「もちろん、行くでしょ? 一禾。」


「呼ばれたら行くしかないでしょ。」



こんなにも心臓が破裂しそうなほど痛くなる、なんて今までで初めて。


だから、こんなに痛いのか______。

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