表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Ghost Ability  作者: 紫乃
Season 3
92/180

黒いミント ⑥


急に壁に飾ってあった本棚から、本がバラバラと落ちる。それと同時にひなたの姿が消えた。



「ひなたは…!」


「黒沢華。よく覚悟しておくことね。」



お父さんがいるにも関わらずそんなことを言ってくる。

なんで。なんでなの。



「お父さん!結婚はやめたほうがいいって!」


「華!そんなことを言っても無駄よ。この人はもう洗脳済み。もう、私のおもちゃなんだから。」


「だからって…!」



狂ってる。今のこの人に何を言っても無駄。この人の耳は耳としての役割を果たしてない。



「あんたも、ひなたの元へ…?」



そっとかざされる手のひら。覚悟とは、このことか。


でも、そんなはずは…。


こんなにピンチなのに、意外と冷静にみてる自分がいて。



「あんたも行くがいいわ!!」



目を閉じて、歯をくいしばると、また大きな音が聞こえる。突然の大きな音に驚いて、肩がビクッと震える。


静かに目を開けると、彼女が壁に叩きつけられて、膝から崩れ落ちていた。

もう片方の方を見てみてると、そこにいたのは



『大丈夫!? 華ちゃん!!』


「美奈子…さん?」


「大丈夫?華ちゃん。」



いつも冷静にみてる、美奈子さんとおばあちゃんだった。

安心したからか、私も膝からへにゃりと座り込む。



『大丈夫!? どこか怪我でも…』


「その前に…」



パチン、と鳴らされた指と、同時に消えて行く彼女。いつの間に、お父さんも消えてて。今現在どこにいるかは分からない。



「あれ、ひなたちゃんは…」


「ひなたがいないの…!」



言葉足らずのこの口で、どこまで通じたかは分からない。でも、少しでも情報が入って、ひなたを助けることができるなら。


きっと、私はなんだってする。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ