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Ghost Ability  作者: 紫乃
Season 3
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黒いミント ①


ほのかに香ったミントの香り。爽やかな香りではあるが、あいつがつけてたのは、ミントとは程遠い香りだった気がする。

華と少し似てる…、甘い香り。それなのに、急にどうしたのだろう。


やっぱり、あいつに何か…。




「ひなた、何考えてるの?」




くらっと香る、華の柔らかい甘い香り。やっぱりあいつから香った匂いとはまた違う。




『華の匂いって…、』


「私の香り?少し甘い?」


『いや、そのままでいい。』




あのミントの香りはなんなのか。

まだ、この部屋に残る香りを消し去るように、私は華の香水を振り撒いた。




「え、ひなた!?」



そんな華が制止する声も聞こえずに、華の香水をことっと机の上に置いた。






『おばあちゃん。』


『ひーちゃん?どうしたの?』



気がつけば会いに行っていた。少しでも謎を解かないと。



『これから、何が起きるの。』



教えてくれないと、困るの…______。









机にひれ伏す甘い香り。嫌いだ、嫌い。なんて厄介な匂いだ。

消えてもらうために、ずっと違う匂いで充満させる。でも、匂いは消えない。




「何をしているの。」


『匂いを…、消してるんだ。』


「匂い…?」


『甘い甘い、この香り。』




それ以外に何も言えない。甘い、としか特徴は得られないし、実際に見えているわけでもない。




「甘い香り、ねえ?」


『知らない?この香りの元を。』


「おそらく、黒沢家の匂いよ。」


『黒沢…』




そう、黒沢。こんな甘い香りを漂わせて、まるで “ 私をそっちへ連れてって ” とでも言ってるようじゃないか。




「黒沢華は…」


『俺らの敵だ。』


「ふふ…っ、そうよ、その調子よ!鳳!」




俺は、軽く狂っている______。

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