親としての義務 ③
まさか。
私は耳を疑った。でも、どこか納得してしまうんだ。
でも、どうして楓に…?
「帰って。」
「華、話だけでも…」
「話す気はない。」
まあそうなるわな。華にとっても、トラウマでしかないんだから。
さあ、どうやって撃退しようか。
『どうするかね。』
「華ちゃん…って、あれ?」
お邪魔だった?なんて言いながら来るのが、またやっかいなやつ。
「千葉くん…」
「君は誰だ?」
全員の視線を、今なら独り占め。なんて、呑気なことも言ってられない。
『楓、とりあえず裏に行こうか。』
「…はい。」
楓を裏に連れてまた戻ると、状況は悪化していた。
華を囲む、二人の男。
「とりあえず帰ってよ!」
「華、話だけでも…」
「とっとと帰りなよ、おじさん。」
まるで修羅場。その言葉が一番合ってる気がする。
『お前も帰れ、千葉春翔。』
「早く帰りなって。」
私の言葉なんて、彼の手によって消されて行く。
「話だけ、聞くから。千葉くんは帰って?」
「え、華ちゃん?」
「またね。」
華はとうとう行動に移した。これが正解かどうかは、なんとも言わないでおこう。
私は、華たちが来る前に、楓を華の寝室へと連れて行き、瞳を閉じさせた______。