親としての義務 ②
「美奈子さん。」
『はい?どうされたんですか。』
「親とは、どういうことなんでしょうね。」
親。ただ子を持つだけで、そう言われ、子供の全ての人生を背負う。
私には、今その責任というものがあるのか、わからない。
『一言では、表せませんよね。ただ、華ちゃんを育ててきたのはあなたでしょう。』
結婚したから、今になって華ちゃんを取り戻しに。そんなの、ただの自己満足でしょう。
それで何回華ちゃんたちを傷つけてきたことか。
『何も害を及ぼさないといいですね。』
「でも、何で…」
私たちの謎は深まるばかりだ______。
『華。』
「華さん、なんかあったんですか?」
『知らん。さっきからずっとあんな調査だ。』
お前の大好きな楓も来ているというのに、なんで。
ずっと何かを考えている様子だ。まあ、私にはその内容も全てわかっているけどな。
「今日は、帰った方がいいですか?」
『いや、むしろいてくれた方が助かる。』
言っていることは事実だ。
今の華の状況からして、打破できるのはきっと楓だけ。そんな時に鳴るチャイム。
…客か。
『華。客が来たぞ。』
「…ん、出る。」
やっと動き出したと思いきや、考えすぎて足元がふらついている。
…そんなに考えるようなことだろうか。
そんなことを考えながら、楓と後を追っていく。
「…なんで。」
「華。」
『…またか。』
でも、私が驚いたのは、その客を見て固まっている楓だった。
なんで楓が固まっているのか、意味がわからない。
「…あれ?」
「あの…、」
楓は目がずっと泳いでいて、今すぐにでも逃げたい、そんな風に感じた。
「まさか、華の友達だったとは…」
『楓?どうした。』
“ 私の、ストーカーです。 ”