目的 ⑥
『ひーちゃん。』
『わかってる。わかってるんだけど、動けないのよ。』
『華ちゃんに、何かが迫ってるものなら…』
『私が救うわ。当たり前じゃないの。』
久しぶりに天界に帰ってみれば、出会ってしまって。私がやらなきゃいけないこと、華に対してどうすればいいのか。それは全て、わかってるつもりではいた。
でも、まだ足りないのか。
このままだと、華が危険なのにも変わりないのか。
『ひーちゃんがやろうとしてることは、全て間違ってる。』
『じゃあ、どうすれば…!』
『それは…』
『美奈子さん。』
『残念。時間切れね。』
私がやろうとしてることは、全て間違ってる。間違ってるのなら、私はどう動けばいいのか。
華のそばにいながらも、華を守れないのが一番辛い。
そばにいるのなら、私が救い出したいもので。
私は頭をフル回転させながら、華の元へ帰る。
「おかえり、ひなた。」
いつも通りの笑顔。この笑顔を守るために、何をするべきなのか。正直、パンクしそうだ。
『…何してたんだ?』
「大学の課題してたの。そろそろしないとね。」
どんどん紙に書き記していく華の姿は、思わず何かとリンクする。
“ ひーちゃん。みてみてー! ”
リンクの正体は、これなのか。こいつが誰なのか、私にも分かっていないのに。
まだまだ私の邪魔をするようだ。