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Ghost Ability  作者: 紫乃
Season 3
78/180

目的 ⑤



「ひなた。」


『どうした。』


「お母さんのところ、見に行ってもいい?」




今までこの日が来ても、華からそう言ってくることはなかった。一回も。

どれだけこっちから言ったとしても、「行かない」の一点張り。

今日だけで、華に何があったというのか。




『どうした、急に。』


「今日は、お母さんの命日でしょ?」


『だからと言って…』


「22歳になった、って報告。」





この前の12日で誕生日を迎えた華。あんなに幼かった華も、やっと受け入れて来たのかと思うと、この年月は短かったような、長かったような。

なんとも言えない気分に襲われる。





『…掴まっていろ。』





か弱く、枝のように細いこの腕は、あの11年前の時と同じように、私の手に触れる。


そんなことを考えながら、私はあの家へと飛んだ。





「…懐かしいね。」


『そうだな。』





今でも目を閉じれば浮かんでくるあの風景と、雅の姿。



華が生まれて、誰もが華の存在を欲しがった。生まれ持ったこの能力は、華だけじゃなく黒沢家、黒木家の全てを救うと言われていた。



こいつの、 “ 黒沢華の力 ” があれば、思い通りの世界が、作れるのだから。





「ひなた。あっという間に時は経っていくのね。」


『それだけ華も老けたってことだろ。』


「一言余計なんだけど!」





私が華を守らないといけないんだ。全てから___。

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