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目的 ④
「はーなちゃん。」
相変わらずめげずに華に接触してくるこいつ。
こいつの目的はなんなのか。
『またか。』
「…どうしたの、千葉くん。」
「今日良かったから、この後…」
私は思わずムカついて、力を使ってしまった。
「遊びに行かない?」
『…っ、なんで…』
力が効かない…?
なんで効かないのか、その理由はわからないけど、明らかに華にとっては悪影響でしかない。
「…、ごめんなさい。この後は凛と…」
「凛ちゃんと泉ちゃんも来るって!」
『しつこい…』
華の戸惑う顔にとっとと気づけ。そう念を込めることしか、今の私にはできない。
こんなにも華に接触してくる、ということはきっと何かあるんだろう。
「ごめんなさい、用事があるんです!」
華にしては相当勇気を出して言った方だと思う。
そう言って、華はこいつの横を通り過ぎて行く。
すると、彼は私の目をじっと見つめて、私の横を通り過ぎていく。
『お前、まさかとは思うが…』
「そのまさかだね。早くしないと______。」
『お前…っ!』
私が振り返ると、彼の姿はもう既になかった。