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Ghost Ability  作者: 紫乃
Season 2
73/180

表情の裏 ⑥


あの日から数日経った。



『華。』


「ん…」


『お客。』


「嘘っ!」


『うん、嘘。』




相変わらず、ひなたは意地悪だ。あかねさんとはまた違う、この感じが好きだったのを思い出した。




「ひなたのバカ。」


『そういうこと言うんだな?』




また出て行かれたら、私が困る。次こそ仕事を辞めるしか道は無くなってしまう。




『辞めるな。もう出て行くつもりはないから。』


「え、ほんとに!?」


『滅多なことがなければ。』




上げて落として行くから、また私の心はひなたに連れて行かれる。

でもそこが楽しいところであって、私がひなたと一緒にいたい理由。




「ねえ。」


『なんだ。』


「あかねさんとは、本当に親戚?」


『ああ。』




本当に聞きたかったこと。ずっと疑問だった。

何が本当で、何が嘘なのか。私には全くわからなかった。

だから…




「あかねさんに、どうして頼んだの?」




だから、教えて。ひなた…。ー








「翡翠様。」


「どうした?」


「無事、白山あかねを排除致しました。」




やっとか。この世から姿を消した。

これで、黒沢華と黒木ひなたの近くでうろちょろするものはいなくなった。




「あーら、残念だわ。あかねちゃん。」


『もういなくなったんだ。』


「そういうことは言ってはいけないぞ。」


「別に、悲しんでるだけじゃない。」





誰も白山あかねがいなくなって悲しんでいる者などいない。

やっと消えたことに喜びを隠せないんだ。





「黒木ひなたは戻って来たか?」


「はい。無事戻りました。」





戻ってきた。

その言葉だけがやたらと強調されたように聞こえた。他の言葉なんて、すーっと風のように受け流していたのに。





『もう?早くない?』


「あら、既に戻ってきてるってことは、それほど華ちゃんのことが心配だったのかしら。」


「そうだな。黒木ひなたの弱点は黒沢華なんだから。」






黒沢華を守るためなら、黒木ひなたはなんでもする。

それぐらいあいつは、黒沢華が大切なんだ。


何をしようともう遅い。

僕が全てを支配しよう___。







私が考えていたことは全て合っていた。どれほど信頼していようと、心から信頼できる人は、ずっと一緒にいる人じゃないとなれない。


私の情報を持ってようと、使えないでしょ?


だって、ひなたのことだから。私を守ってくれてたはず。

ひなたが助けてくれたように、私も守ってあげる。



さよなら、あかねさん。

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