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Ghost Ability  作者: 紫乃
Season 2
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表情の裏 ⑤



『私は、あなたのパートナーだから。』


「私のパートナーは、黒木ひなただけよ。」




そう、あの子じゃないとダメなの。私のパートナーはあの子じゃなきゃ、ひなたじゃなきゃ務まらない。




『…で、』


「え?」


『なんで黒木なの!私の方が、使えるはずなのに!』





なんで。

そういうあかねさんの目はもう死んでいた。

光を失い、闇に堕ちたような、そんな目。


“ 桔花から伝言です。白山家危険、ひすい ”





『私たちは、白山家は、全ての光なのに!』




あかねさんの苗字、白山、だ。


私は全てを含めて絶句した瞬間だった。

白山と黒木に何があったというのか。

そこまで知る由はあるのか、私に。




『そうだな。白山家は全ての光だな。』


「え…、」


「華さん!」


『なんでひなたがここに…』




私の会いたい人がすぐそばにいる。私の愛しい人。

思わず涙が溢れた。




『お前こそ、華に何をした。』


『何もしてないわ。私が何をしたって言うの。』




久しぶりに見たひなたの姿は相変わらずだ。

よく見れば、ひなたとあかねさんは正反対だな、なんて。




「華さん、大丈夫ですか。」


「どうして…、ひなたが…」


「さっき偶然会ったから…」




そう言って笑ってくれる。中3なのに。


そんな風に見てたら、やっぱりダメだな、なんて考える。




『どうせ、翡翠にでも…』


『翡翠様になんて口を…っ!』


「ひなた!危ない!」




あかねさんが持っていたのは凶器。鋭い刃物。

刺さっては危険だ。




『…何をしようと、お前は華を向こうに連れてくことはできない。』




ひなたがそう言うと、あかねさんは静かに崩れ落ちた。

ひなたは、静かに指を鳴らすと、辺りが明るくなる。目を開いた頃には、あかねさんの姿は見えなかった。




「ひなた…」


『華。やっぱり人を見る目がないな。』


「ひなたがいないからだ…」


「華さん、すごく寂しいって言ってたんですよ?」


「それは…」




なんて、さっきまでのことが嘘みたいに笑っていた。

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