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Ghost Ability  作者: 紫乃
Season 2
71/180

表情の裏 ④



隣から差し出された冷たい缶サイダー。いつもは飲まないけど、ありがたく受け取った。




「ありがとう…って、え!?」


『何を驚いている。さっさと飲め。』


「ひなた…さんなの…?」




“ うるさい、耳元で喋るな。 ”


その言葉を聞いて確信した。ああ、ひなたさんだって。

安心したからか、私の頬に水が伝った。




『なんで泣いてるんだ。』


「会いたかった…。」


『そうか、』




少し照れながらも、私の頭を撫でてくれる。ほんのり冷たい手が私の体温を奪っていって。




「なんで、あかねさんに…っ、」


『華には言うなよ。』




そう言って明かされた事実は、中3にとっては衝撃的だった。

大人はそこまでやるのか、と少しだけ人間不信になりかけた。




「そんなこと…」


『確かに、断れば簡単だった。でも、楓なら分かるだろ。』




“ 私には華が必要で、大切なんだ。 ”


その一言が全てを語ってる気がした。たった一年。

一年の空白の時間が、こんなにも、冷たくなるとは思わなかった。




『華は?』


「家にあかねさんと…」


『なんで2人にしたんだ!』


「追い出されたんです!」




こんなにも切羽詰まったひなたさんを見ることは、もうないだろう。


だからこそ、私はひなたさんについていくことしか出来ない______。

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