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Ghost Ability  作者: 紫乃
Season 1
6/180

会いたい理由 ⑥


もうホテルは閉まって、照明も落とされている。窓から月の灯りが差し込んでいて、ものすごく神秘的。

時間もそろそろ三時を迎える。中島杏子も降りて来るだろう。





「遅くなってごめんなさい。」


「どうでしたか?」


「謎が解けました。わざわざありがとうございました。」





その瞳は赤く腫れている。出会ってすぐ泣いたんだろう。そのままずっと泣いて、会話なんてできやしなかっただろうに。






「中島さん、神谷さんと会われてどうでしたか?」


「自殺じゃなかった。ほんとに事故で、望んで私の前からいなくなったんじゃなかった……。」


『婚約者なんだから、望んで姿を消すわけないだろ。』


「ひなたは黙ってて。」


「え、」






私の姿は、普通の人には見えない。パートナーにしか見えないこの身体、ある意味楽だ。





「そうでしたか、ご満足いただけたなら、よかったです。」


「ありがとうございました。」





そうやって、後ろ姿を見送る華。

あいつ、何かを隠してる。私や華が知らない何かを。






「ちょっと、何してくれてんの。」


『本当のことを言っただけじゃないか。』


「確かに事実だけど…」


『言ってしまったことに文句を言うな。』






そう言えば黙る。それさえ知っていれば、華を扱うことなんて簡単だ。


私たちは、満月の夜を歩いて、月光に照らされた。

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