黒い影 ③
目を覚ましたら朝だった。カーテンの隙間から太陽の光が差し込んで、いい朝なのはわかった。
『華さん、目を覚ましましたか。』
「…っ、おはようございます、」
『そんなびくびく怯えなくても…。大丈夫じゃないですか。』
大丈夫じゃない、直感的に私の中の何かが言っている。
早く、どうにかしなくては。
リビングの方に向かうと、一通の手紙が来ていた。封筒を開け、中身を見ると、依頼の手紙だ。
私はすぐに書かれていた連絡先に連絡を入れた。
ただ、あまりにもおかしい文。身内に亡くなった人が本当にいるのなら、こんな書き方はしないはず。
『わざわざ依頼しに来てくれたのに、そんなことを?』
「え…?」
私は、もうわからなくなっていた。何もかもが。
『お客様は、神様なんです。疑ってはいけません。』
段々、瞼が重くなってくる。眠くないのに。
あー、我を助けてください、神よ…。________
私の目の前で、華さんが倒れた。もちろん、私はそのままソファーに倒そうと思っていた。
『準備を、しなくては。』
そんな時…
「何してるんですか、あかねさん。」
『え、』
「華さん倒れてるのに、パートナーのあなたは放置なんですか。」
『放置なんて…』
私はこの子が嫌いだ。きらい、だ。