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Ghost Ability  作者: 紫乃
Season 2
49/180

ラベンダーの香り ⑤


これが初めて。また、桔花と会う方法を見つけた。

突然いなくなったんだ。道端で倒れて、そのまま。

喧嘩ばかりしていたけど、いざいなくなると寂しくて。





「桔花…?」


『あれ!?隼人!?』


「本物…なのか?」


『本物ですよーっと。双子なら私の姿くらい覚えとけ!』






当時のまま話して来るから、信じ難いけど信じるしかない。

だって本人だから。紛れもなく坂口桔花だから。






『実際、本人いなくなりましたけど…、どうですか。』





桔花がいなくなる直前、僕たちは喧嘩していた。最後に僕が桔花に向けた言葉は、「お前なんて消えてしまえ。」

その後、桔花は家を飛び出して行った。


でも、あの時はまさかこうなるとは思ってなかったわけで。






「あれは…、本心じゃない…。」


『うん、知ってるよ。』


「お前がいないと、やっていけない。」


『あれ?みちるさんは?』






みちる。僕の奥さん「だった」人。もう別れたんだ。

合わなかったらしい。何もかもが。







『まあ、私も苦手だったし、別にいいんだけど。』






毒を吐きながらへらっとしてるから。怖いんだよね。

でも、そこが桔花のいいところであって、僕の好きなところ。双子だから。以心伝心できるのも僕たちだから。





『ねえ、隼人。華さんに伝えてほしいことがあるの。』


「伝えてほしいこと…?」


『うん。それは_____。』


「…わかった。」





僕もそれを伝えたら、覚悟を決めようか。




**




「楓ちゃん。」


「私、そろそろ帰りますね。」


『…もう帰るんですか?』


「私、今のあなたと同じ空間にいたくないので。」




今日はいつもの倍だ。楓がこんなに噛み付くのも珍しい。

でも、私もそれは思う。


…早く坂口さん、帰ってこないかな。


ただただ望むばかり。




『…あの。』


「はい、何ですか。」




私もあかねさんと行動し始めてから、表情があまり表に出なくなった。


祖母並…かも?




『坂口さん、もう終わってあのビルの上です。』




指をさす方向の屋上には、確かに人影。


私の中で、何かが危ない、そう叫んでいた。

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