表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Ghost Ability  作者: 紫乃
Season 2
42/180

幼くして亡くした子の命 ④



何とか個人情報も集まって、交渉もしてもらって、可南さんに連絡を入れた。






「それでは、元あおぞら幼稚園の跡地で待ってます。」


『わざわざそんなところを選ぶなんて。』


「思い出がたくさんつまっているところなんで。」







夜の10時。これが約束の時間。

どうか、邪魔はしないであげて、二人の時間を。






「華さん。」


「あれ、帰らなくていいの?」


「終わったら、送ってください。家まで。」


「わかった。」





きっと、待っている間の時間、そばにいてくれるために、来てくれたのかな、って。

自意識過剰かもしれない。


でも、今はその優しさに甘えようと思う。






『色々準備しておきますね。』


「ありがとうございます。」


『ゆっくりしててください。』






眠りを誘う心地の良い声。ほんのりと香るゆずの匂いに、少しだけ鼻をくすぐられた。





時間になって、私たちは待ち合わせ場所に向かう。

こんな力を持ち合わせたせいで、私たちは普通に彷徨ってる方たちにも見えるわけで。








『気にしないで行きましょうか。』






私たちが待ち合わせ場所に着くと、もう彼女はいた。






「遅れてすみません。」


「いえ…」


「覚悟はできてますか。」


「…はい。」






その言葉で合図を送ると、あかねさんが指を鳴らす。

ひなたとは違うところ。それは、最初はゆずの香りがしてたのに、鳴らすと甘い香りが漂って、一瞬で景色が変わるところ。


これが “ 白と黒 ” の違いなのかな、なんて。







「それでは、楽しいひと時を。」







時間を伝えて、私たちはその場から離れた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ