表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Ghost Ability  作者: 紫乃
Season 2
41/180

幼くして亡くした子の命 ③



「で、個人情報を集める方法を知りたいと。」


『あれ、でも華ちゃん知ってるんじゃ…』


「いつもはひなたが…」


「それじゃあ、勉強にならないわ。華ちゃんの力で集めなさい。」







祖母の力を借りたい、そう思ったのに。


私の祖母はそこまで簡単じゃありませんでした。








『ひーちゃんは…』


「お互い、頭を冷やしてるんです。ごめんなさい、合わせてあげられなくて。」


『それはまたの機会ね。』







そう言って、笑ってくれるから。本当にひなたと血が繋がってるのか、怖くて聞けない。








『繋がってるわよ!当たり前じゃないの!』


「あ、読んじゃいましたか?」


『とりあえず、気をつけてね。』


「え、何に…」








ツーツーツー。切られた。


何に気をつけたらいいんだろう。でも、いつもは穏やかな口調の美奈子さんが、そんなことを言うってことに驚いている。








『何に、気をつけたらいいんでしょう。』


「あ、華さん。ここにいましたか。」


「楓ちゃん!」







いいところに来てくれたなぁ、楓ちゃん。


私、今ものすごく行き詰まってる。助けてください、女神様。







「あの…?」


『あ、初めまして、白山あかね、と申します。』


「えっと、山田楓です。」


『…ん?私のこと、見えてるんですか!?』


「はい。バリバリ見えてます。」








なんと言うか、初々しいと言うか。あまりにも見慣れた風景というか。

楓ちゃんが見えることに驚くのは、ひなたも一緒だったな、って。


ああ、気づいたらひなたのこと考えてるわ、私。









「あのね、楓ちゃん。」


「はい?」


「よかったら、協力してほしいことがあって…」


『え、この子生身の人間…っ!』


「個人情報集めるの、手伝ってくれる?」







彼女はにっこり笑って、頷いた。




“ それなら、あの部屋にあるんじゃ…? ”


絶対に入るなと言われていた、ひなたの部屋。私は鍵を持って、彼女の部屋に足を踏み入れた。









『これが、ひなたちゃんの部屋…』








それぞれがヒントとなる物を探していると、目に入った一枚の写真。

セーラー服を着ている…ひなた?と一人の青年の写真。仲がいい兄弟写真っぽい。


…あれ? この男の子…、どこかで…。


でも、今はそれどころじゃない。


私はそれを部屋の机の上に置いた。静かに。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ