幼くして亡くした子の命 ②
・・
「あの…」
「どうされましたか?」
依頼人の方がやって来た。彼女はどこかおどおどしていて。
「どうかされたんですかね…?」
「依頼、ですかね、」
「はい、依頼、させてもらえませんか。」
覚悟を決めたように、私の目を見つめてくる。そのまま、彼女はある話をしてくれた。
「…それで、その子に会いたいと。」
「はい。謝りたいんです、彼に。」
「わかりました、こちらの方でも交渉してみますね。」
彼女はそう言うと、満面の笑みで頷く。私はそれを見ながら、これから集めるべきものを頭に浮かべた。
「あの!」
「はい、」
「名前だけ、聞いてもよろしいですか。」
「青木可南です。元あおぞら幼稚園で働いてました。」
「今は…?」
「今は、ベビーシッターをやってます。」
悲しげな表情でそう言う。
少しでも彼女の中で、彼の存在に気がかりがあるようだ。
彼女が家を出てから、衝撃的なことに気づいた。
『あの…』
「個人情報って、どうやって集めるんですか!?」
今まで私は、自力で個人情報を集めたことがない。今までは何かしら、ひなたが助けてくれてたから。
『私も!分からないんです!』
ああ、これ終わったな。
私はそう確信した。でもなんとしてでも、彼女を彼に会わせてあげたい。
一か八か、私は電話をかけた。