表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Ghost Ability  作者: 紫乃
Season 1
30/180

ゴーストアビリティーとは ⑦



『紫さん、あの話、してよかったの?』


「ええ。華ちゃんには、しておくべきかなって、思ったのよね。」







華ちゃんが跡取りって聞いたとき、正直不安でしかなかった。

あの子は、玲ちゃんや律ちゃんよりも大人しくて、自分の感情をあまり外には出してくれない。おまけに泣き虫さんで。

そんな子が一人でやっていけるか、って言われたら…、ね?







『それは、私も同じですよ。』


「美奈子さんのところのひなたちゃんも、いい子じゃないの。」


『ひーちゃんにも、色々あるんです。』






にこにこ笑いながらそう言った。


そう言えば、私はひなたちゃんが亡くなった理由を知らない。






『それは内緒です、紫さん。』


「なんで?」


『あまりにも、話せるような内容じゃないので。』


「そんなに、残酷だったの?」


『…それは、紫さんのご想像にお任せします。』







いつもは微笑みながらそう言うのに、今回ばかりは真顔で言うから、この件に関しては触れないでおこう、そう決めた。





『そうしておいてください。』


「そういうところまで、読んじゃダメよ。」


『もう遅いですよ、紫さん。』


「あら、遅いのね。」






二人で笑っていると、段々空の色が黒くなり始めた。

ああ、嫌な予感がする。“ 何が ”とは言わないけど。

きっと何かが私たちを、黒沢家と黒木家を襲う。









『…雨、降り始めましたね。』









美奈子さんにそう声をかけられて、雨がポツポツと降り始めていたことに気がつく。









「今、気がついたわ。」










私は段々激しくなってくる雨をじっと見つめる。










『この雨は、何を思うのでしょうか。』


「きっと、華ちゃんとひなたちゃんの心を清めるために、降ってるのでしょうよ。」










確信なんてないことを言って。

自然に勝てることなんてない。例え、私たちの力でも。










『あの子たちの未来は…』


「もう、見えてるのでしょう。」










あなたはもう見えているはずよ、美奈子さん。

あなたの力なら、全てが見えているはず。


過去も、未来も。








『そうですね。』








あなたが言うなら、それは合ってるのよね。

だから、私は…。

















「もうそろそろ、だね。」









華も、ひなたも、紫も、美奈子も、誰も知らないところで、何かが動き出す予感。










「さあ、黒沢華ちゃん。実力を見せてもらおうか。」












大変だぞ、逃げろ、華。


こんなことしてる前に、察して逃げろ!


にげろ、ニゲロ。






あとは….、お前次第だ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ