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Ghost Ability  作者: 紫乃
Season 1
29/180

ゴーストアビリティーとは ⑥





「雨の匂いがするね。洗濯物、帰ったら入れないと。」


『そうだな。華は忘れ癖があるから。』






一つ一つの会話を、最後だと噛み締めている。

現に、私の隣にいる華は涙をこらえていて。


そんなに私との別れが悲しいか。そんなの、ないくせに。

…別に、私じゃなくたって。







『華。』


「…まだ、何かあるの。」






もう泣いていると言ってもおかしくない。

でも、








『華の味方は、私一人で十分だ。』


「うん、私もひなたの味方だから…」


『私は、お前が危ないことに巻き込まれようものなら、助ける。』


「うん、」


『そう思ってた、昔までは。』


「え、?」









そう、昔までは。今は、救い出しちゃいけない。

そういう時期だから。

大学生になった今、華が一人で乗り越えなくちゃいけない壁が、絶対に出てくる。








『お前が一人で頑張るところが…』


「わかった。」






珍しい。華が食い気味でそんなこと言うなんて。

さっきみたいに「嫌だ」って、「ひなたがいれば」って。言うのかと思ってた。


そう思って、やっとわかった。ああ、私が華に必要とされたいんだって。

でも、どこか信じられなくて。







「でもね、私はひなたにいてほしいんだよね。」







こいつはやっぱりバカだ。いなくなる私を、何としてでも引き止めようとしてる。

いなくなるってわかってるのに。それなのに。

やっぱり、好きなんだよね、こいつのこと。








『それなら、とっとと頭を冷やすことだな。』


「それは、私じゃなくて、ひなたでしょ!?」


『なんとでも言え。』


「そういうこと言っちゃう!?」






こういう痴話喧嘩が出来るのも、お前だけだ、華。

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