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Ghost Ability  作者: 紫乃
Season 1
27/180

ゴーストアビリティーとは ④




「ひなた!」




あの時の海が見える丘の上。砂浜に降りても綺麗に見えるのに、わざわざ丘の上にいたのは、私のことを思い出してくれてるのかな、なんて。









『…なんで、ここにいる。』


「こっちはいいの。なんで二ヶ月も…。」


『関係ないだろ、華に。』








やっぱり、冷たい。私がなんて言おうと、ダメなのかな、とか。嫌なことばかり考えてしまう。


でも、私の性格上、そう考え始めたら止まらない。










『とっとと帰れ。』


「…嫌だ。」


『なんで。』


「嫌なものは嫌なの。」


『このわがまま…』


「ひなたも一緒じゃないと!」








私がそう言えば、ひなたは目を見開いて私を見つめた。

でも、すぐにいつもの冷たい目になってしまう。


ああ、これで終わりなのかな。そんな気がしてきた。








『私がいなくても大丈夫だ。』


「ひなたがいないとダメ。」


『嘘をつくな。』







今のひなたとは話が噛み合わない。何を言えばいいのか、考えても答えは出てこない。


どれだけひなたと一緒にいたい、そう思っても伝わらないの?


心の中は、お互い読めるはず。


…ん? それなのに、どうして私は、ひなたの心が読めないの…?









『どうしてもだ。』


「なんで…。」


『だって、私のことはもうわからないだろう。』


「わかるよ!ひなたのことは私が一番知ってる!」


『じゃあ…』







“ この二ヶ月、私はどこにいて、何をしていた? ”


ぎくっ、としてしまった。ひなたはこの二ヶ月音信不通で、私の元から姿を消して、どこにいるかなんてわからなかった。

それなのに、それを答えろなんて。









『わからないんだろ。』


「私は…!」


『いい大人が、言い訳か。』







そんなこと言われてしまえば最後。私が言い返せることなんて何もない。








『私は一旦お前から離れる。』


「なんで…っ!」


『なんでも、何も。今のお前とはパートナーを組めない。』


「じゃあ、ゴーストアビリティーはどうなるの!?」


『…結局、お前はそればっかだな。大丈夫だ、安心しろ。他の奴にパートナーは頼んでおいた。』








“ 結局、お前はそればっかだな。 ”


その言葉が私の胸に刺さる。あまりにも深く刺さるものだから、きっともう取れないトゲ。

それを刺す相手が、まさかひなただなんて。









『少しだけ頭を冷やす時間が、お互い必要なんだと思う。』


「…いつから。」


『次の客がお前との最後(仮)だな。』









意外と早いじゃんか。

なんでそうやって勝手に決めちゃうの。なんで相談すらしてくれないの。


自然と一筋の涙が頬を伝った。

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