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Ghost Ability  作者: 紫乃
Season 1
26/180

ゴーストアビリティーとは ③


その後、雅は華ちゃんのお父さんと結婚して、玲ちゃんを生んだ。まわりは玲ちゃんが跡取りだと、誰もが思っていた。

でもね、不安がった雅はもう一人、律ちゃんを生んだ。どちらも、雅ではなくお父さんに似てしまったらしい。

華ちゃんのお父さんは、プレッシャーに弱く、飽き性だから、さらに不安がってしまったの。

その不安から、華ちゃんが生まれた。


まわりはそろそろ男の子が生まれるんじゃないか、とそわそわしてたけど、奇跡的に三姉妹だったのね。

これまた華ちゃんは奇跡の子で、雅にそっくりだった。でも、順番から行けば、次の跡取りは玲ちゃん。

雅はずっと悩んでいたわ。


そんな時







「あの…」


「はい、どうされましたか?」


「会いたい人がいるんですけど…」






雅は優しい人だから。その願いを聞き入れてしまったの。

その人は、実はもう亡くなっている方だった。


ゴーストアビリティーになったら、死去されている人の願いは聞けない。鉄則の掟。


それを破ってしまった雅は、パートナーの方と、消滅してしまった。



そのまま流れ的に玲ちゃんが指名されたけど、玲ちゃんはゴーストアビリティーの「指名されたら必ずやり遂げる」というルールに違反して、姿を消した。

その後、律ちゃんも玲ちゃんの後を追うように、いなくなってしまった。

そして、当時10歳だった華ちゃんが跡取りになった。



・・






「ってことは…」


「玲ちゃんと律ちゃんは行方不明というよりかは、姿を消された。」


『残念なんだけどね…』






衝撃的な事実を知らされた私は、今どうすればいいのかわかっていない。

でも一つだけ、わかったことがある。


無性にひなたに会いたくなった。







「あの…」


『ひーちゃんなら、あなたと初めて会った場所に。』


「ありがとうございます!」






当時10歳だった私。私がゴーストアビリティーになるのと同時に、父も家を出て行き、私だけが残されていた。


もし、玲と律がそうなのであれば、私はよく引き受けたと思う。


あの時、








「なんで…、お母さんもお父さんも、お姉ちゃんもいないの…」


『そんなことで泣いてるのか。』


「え、誰…」


『私は、お前のパートナーの黒木ひなただ。』








ひなたと出会ってなかったら、私は一人だった。あの時、あの場所で話しかけてくれなかったら。


きっと私もルールに違反してたと思う。

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