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Ghost Ability  作者: 紫乃
Season 1
24/180

ゴーストアビリティーとは ①



泉と歩の事件から、約二ヶ月ほど経った。あれ以来、ひなたの姿は見ていない。

私の元にも現れず、どこにいるのか分からない。私はそんな中、あの時の男がずっと頭に残っていた。


そんな時、一つの電話が入る。









「もしもし?」


「あ、華ちゃん?」


「おばあちゃん?」










私の祖母からだった。


この電話をきっかけに、私は実家に戻ることになった。











「華ちゃん!」


「華!」









実家に戻れば、みんな揃っていて。むしろ、私だけいなかったらしい。

懐かしいこの香りと、この景色。私の中で様々な思い出が蘇ってくる。








「華ちゃん、元気にしてた?」


「してたよ。すっごい元気。」


「今は?何してるの、華ちゃん。」


「大学生してます。いい感じに充実してるわ。」










親戚まで集まって、軽く年末年始の気分。この前集まったばかりなのにな、なんて。


でも、二人見当たらない。私の姉たちが。









「ねえ、玲と律は?」


「あぁ、二人とも忙しいみたいでねぇ…」


「…そうなんだ。」









思い出せば、玲と律とは、私が次期ゴーストアビリティーになってから、口を聞いていなければ、姿も見ていない。


今いないのも、少し、ほんの少し納得がいく。


静かにそんなことを考えながら、出されたお茶とお茶菓子をそっと口に運ぶ。

そんな時、







「華ちゃん。」


「ん?どうしたの?」


「あなたのペアの、ひなたちゃんはどこに行ったんだい。」







祖母は見えてるんだ。ひなたのことも、私の感情も。








『ひーちゃん、いないの?』


「いらっしゃらないみたいよ、美奈子さん。」


『残念ね、紫さん。』









少し残念そうにする美奈子さん。彼女は祖母のパートナー。もっと簡単に言えば、ひなたの祖母とも言える。

久しぶりに会えるかもしれない機会を奪ってしまったことが、少しだけ気にかかる。











「華ちゃん、少しだけ私について来なさい。」


「…はい。」


『私も一緒でいいのかしら。』


「美奈子さんも一緒でいいのよ。」











にっこりと微笑みながらそう言う。あまり表情を出さない祖母だが、美奈子さんと話すときだけは、表情が分かる。


私はにこにこ笑ってる祖母が好きなのに。

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