親友の悲劇 ④
「はあ、いい天気。」
青空に雲が少しある今日。華はいつも通り、ゴーストアビリティーとしての仕事をしているところだった。
そんな時、カランカランと玄関が開く音が聞こえて来る。私はもちろん、華へと伝えた。
『客が来たぞ、華。』
「うん、私もそんな気がしてた。」
玄関に行くと、私たちが予想してた人物とは全く違くて。
『なんで、お前がここに…?』
『私たちから依頼っていうのは、ダメかしら…?』
「ここは、生きてる方が、死去なされた方とお話する場所なんです、その逆のことなんて…」
『どうか、お願いできませんか…』
『ダメなものはダメだ。帰れ。』
強く言いすぎた。でも、こればかりは譲れないものなんだ。
生きてる人限定のゴーストアビリティー。逆なんて、受け付けない。
「なんで、あんなこと。」
『お前はわかっているはずだ。』
逆のことをすれば、私たちは消滅。ゴーストアビリティーの契約が結ばれた以上、それに従わなければならない。
生きている人にしか、力になることはできないんだ。
「でも、泉たちのお母さんは…!」
『それでも、泉たちが来なければ、私たちの命は燃え尽きる。』
「…っ、だって…」
『ダメなものは、ダメなんだ。』
納得がいかない、そんな顔で華は口を閉じた。
確かに、私もこれには納得がいってない。でも、規則ゆえにしょうがないんだ。
自分の存在の方が大事なのだから。