親友の悲劇 ③
・・
泉たちの家までの道のりを歩く。また風が変化して、生暖かくなった。
さっきの嫌な予感はこれだったのか、と一人納得。
「私たち、これからどうしようか。」
「一言で、生きる。」
「それは当然でしょ、バカじゃないの笑笑」
「もともとバカだもん。」
やっと、泉が笑った。でも、まだどこか表情は暗くて、うまく笑えてない。
それに気づいた歩は言った。
「じゃあ、パパとママに会いに行こうか。」
と。それに不信感を抱いてる泉は戸惑っていた。
「ただし、ママとパパの部屋片付けたら。」
何を言ってるのかわからない泉は、一人で頭の中を整理していた。
それでもなかなか整理できてなくて、その姿を見ながら歩は笑っていた。
部屋を整理していると、封筒が二つある。
しかも、表には歩宛てと泉宛てに書かれている。
「手紙…?」
そう言って、自分の封筒を手に取る。
“ 歩へ
この手紙を読んでいるということは、歩が一人暮らしを始めたか、お母さんたちがいなくなったのね。
歩はいつも私たちに甘えず、我慢強かった。泉がいるから我慢する、そう言って、行きたかった高校、大学を諦めた。あの時、無理をしてでも行かせるべきだったと、後悔しています。ほんとにごめんね。でも、一つ言わせて。
時には甘えてもいい。でも、道を決めるのは自分でありなさい。
これからも頑張ってね。 母より。”
その手紙にまた、涙を流す。
「まだ泉には渡さないでおこう。」
そう言ってるような気がする。