会いたい理由 ②
「ひなた。」
『私はここだ。』
「あ、いた。」
華のパートナーである私の名はひなた。
華の先祖が、ゴーストアビリティーの初代だったため、私の先祖も、華の先祖のパートナーをしていた。私たちがパートナーになるのは決まっていたのだ。
「もうそろそろで、中島杏子さんが来るよね。」
『そうね、華はその人の情報、入ってるのか?』
「中島杏子さんは25歳。1992年、4月15日生まれ。銀行で働く仕事が生きがいの女性。性格上、優しくて、顔もそこそこ可愛い。」
それを不公平と言いたいけど、身長が控えめだから許そう。
「彼女が会いたいと言っているのは、婚約者の神谷貴一。彼女に指輪を渡した次の日、不慮の事故で亡くなる。なんで亡くなったのか、なんで自分の前からいなくなったのか、それを知りに来る。」
『上出来じゃないか。』
そう言えば、勝ち誇った顔。少しムカついたが、そこは許そう。
華は部屋に向かっていた。理由は会わせるための、必要な道具たちをとりに。
私たちゴーストアビリティーに必要なのは、手帳とペン。そして、会いたいと言っている人の情報。これさえ揃ってしまえば、会わせることは可能なんだ。