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Ghost Ability  作者: 紫乃
Season 1
18/180

親友の悲劇 ①


いつもの帰り道。天気は快晴で、生暖かい風が吹く。

ヒールを鳴らしながら歩く私に、携帯が鳴った。




「もしもし?」



その時までは普通だったんだ。あの電話が鳴るまでは。








学校を終わらせて家に帰る。いつも通りの匂いに、静かなこの空間。私にとっても、華にとっても、落ち着く。




『華?どうした?』


「いや、なんでもない…けど。」


『けど?』


「嫌な予感がするの。」




それは分かるから、深くは聞かない。華が窓を開けに向かうと、さっきまで暖かかった風も、いきなり冷たくなり、身体に深く刺さる。




『寒いし、閉めろ。華。』


「…うん。」




その想いを忘れさせるために、紅茶とお菓子を食べるように急かした。このまま何が起こるかわからない。


何が起こるのかなんて、私には……、分かっているのに。


しばらくして、電話が鳴る。






「もしもし。」





華の表情を見ていると、深刻な様子になってくる。何があったのか、知りたくなる。


そう思って入れば、華の耳元にあった受話器が、置かれた。






『華?何があった。』


「泉のところ、行ってくる。」


『おい!待て!』





そんなの無視して、家を出て行った。しかも、靴もいつものヒールじゃなくて、走りやすいスニーカーで。

私も急いで家を出て行く。早く、華の元へ追いつけるように。


力になれるように。




……役に立てるように____。

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