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Ghost Ability  作者: 紫乃
Season 5
174/180

罪 ③


それもどこか嫌な感じがして。



「離せ、柘榴」


「…嫌です」



必死の抵抗。僕の近くにいたいから、僕の側にいることが生きがいだから。確か、前にそんなことを言っていた気がする。


私は翡翠様の近くにいれたら、それで…。

私に生きる価値をくださって…。


静かに泣きそうな目で、僕の腕をつかむ。行かないでって、ここにいてって。

か弱い力で、棒のように細い、この腕で。



「私はどうしたらいいんですか…」


「あいつの…」


「私は、鳳ではなく、翡翠様の秘書です!」



僕を止めるためなら必死だ。どのような手を使っても残そうとしている。ポロポロと大粒の涙を流しながら、僕にしがみつくんだ。おかげさまで、僕の洋服は涙で濡れている。



「もう、僕の考えは覆せないよ」



目を見開いて、僕の腕から手が落ちていく。動揺しているんだ。



「それは…!」


「君はもう、翡翠の秘書じゃない」



きっぱり終わらせよう。全てを切り捨てよう。僕はそのまま一人になれるんだ。

翼でも生えて、飛べたらいいのに。大空へ。

そんなことを思いながら、彼女を置いてただただ歩いた。後ろから泣き叫んでいる声も聞いていないフリをして。

長さが異なるろうそくを見ながら、自分の命が短いことを実感させられる。

これが、本当の最後、ですね。

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