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Ghost Ability  作者: 紫乃
Season 1
17/180

愛してるの意味 ⑦





「ん……」





楓が目を覚ました。私と華はテーブルで本を読んでいた。





「起きた?」


「はい…。あの…?」


『あのあと、そのまま倒れたんだ。犯人は無事捕まった。』





そう言うと、楓は嬉しそうに涙を流した。何粒も、何粒も。

そりゃあそうだ。実の妹がそいつの目の前で殺されているのだから。





『もう、自分を責めなくていい。』


「はい…」




そう言った瞬間、ピンポンとチャイムが鳴る。華は急いで、玄関へと向かった。

しばらくして中に入ってくる。後ろに二人連れて。




「お父さん…、お母さん…」


「無事でよかった…」


「楓さんを怒らないでください。彼女は依頼しに来ただけなので。」


「依頼、ね?」


「依頼…?」




?がいっぱいの楓の両親に、華が噛み砕いて説明をする。

すると、納得する父親と、怒りを露わにする母親。これだから人間は、家族は嫌いなんだ。





「ご心配をおかけしました。全て、私が楓さんを巻き込んでしまったんです。」


「ご迷惑をおかけしました。楓も謝りなさい。」


「いえ、大丈夫ですよ。」





華は愛想笑いをふりまいて、楓たちを送り出す。





『嘘ついて。』


「嘘なんかじゃない。巻き込んだのは事実でしょ。」





正論ばかり言われると、こっちに勝ち目なんてない。だって相手は生きてる人間、現役の学生。まだまだ知識を入れてくる。




『確かに、そうだけど…』


「楓ちゃんたちなら、幸せになれるから。」















四年前、一つの家族を襲った悲劇。まだ幼かった妹を目の前で殺害され、写真さえ、妹の顔を見れなくなった一人の少女。

あの時、「私が囮になるから、お姉ちゃんだけでも逃げて」という言葉の意味を知りたくて、私たちの元を訪れた。


その言葉の意味、あなたは知れましたか?

ちゃんと妹さんの顔を見て、声を聞くことはできましたか?





もう二度と、あなたと再会しませんよう、心から望みます。

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