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Ghost Ability  作者: 紫乃
Season 5
167/180

ひなたとこかげ ④


〈ゴーストアビリティーは女の人限定〉

〈そろそろいいお年頃じゃ…?〉


母が死んだのは、ゴーストアビリティーになるため。そう思うとどこか納得してしまった。

じゃあ、父は?ただの巻き添えだったんだろうか?

私の心は複雑な感情で支配される。



「ひーちゃん、お勉強分からない…」


「…じゃあ、一緒にやろうか」



何で私は母親の代わりをしているんだろうか。私の役目なんかじゃないのに。なんでやるべき人がいなくなるんだろう。

私の毎日は全て壊された。生活も全てボロボロ。全て、不満で包まれていた。



「ひーちゃん、すごい!」



ちょっとしたことで笑えるこかげが羨ましくて。私とは正反対だな、なんて。

きっとこの子の人生はこれから楽しいものになるはずで。私のような暗い人生は絶対に送らない。だって「男の子」だから。

そう考え始めるとこかげもこかげで察したのか、私の元から段々離れるようになった。



「なんでこうもうまくいかないかなあ…」



疲れたのか、一人になりたくて。休みたいから。こかげが昼寝をしているのを見て、本を持って樹木の方へ足を進めた。

昔より少し明るくなったこの風景。どこか懐かしいと感じる私もいて。周りを見渡せば小さい頃の自分と動いているこかげがいる。実際に動いているみたいに。幻覚なのは分かっているんだけど、だけど昔の感情が込み上げてきて涙が出そうになる。

本を閉じて樹木から降りると、ちょうどいい風が吹いて私の足元を通り抜けた。

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