まぶしい光 ⑧
「なんで?」
『お前は私がしっかり守るから』
その一言で、あー、これから何かが起こるんだって。すぐに理解した私がいた。秒の勢いだった。
いつもとはまた違うひなたに、私の胸は、さらなる緊張感を与えられて、ぎゅーと締め付けられる。
「ひなた、何飲む?」
だから私はあえていつも通り接してあげるんだ。動揺していないフリをして、いつも通り笑って、いつも通りひなたが注文したレモネードを作るだけ。
『…華』
逆にひなたが動揺しているのにも気づいてあげない。だからって、華って呼ぶその声にも気づいてあげない。
ひなたじゃなくて、私も頑張らないとね。
私はそう思いながら、完成したレモネードを彼女の前に差し出す。
何かを察したようだった。華も、からすも。あいつがここに来てくれたのは、非常にありがたい事で、正直こちらには得でしかなかった。だからか、私はあいつが裏切ることは予想出来ていない。
生まれ変わる、そう言ったから。だから私はあいつを信じてしまうんだろう。
「味、平気そう?」
『ああ、ちょうどいい』
ならよかった。いつも通りに私と接してくる。きっと内心は動揺しているはずなのに。そう考えると、一番動揺しているのは私なのではないかなんて、思い始める。
「たまーにさ、違うの飲みたくならないの?」
『レモネードが好きだからいいの』
初めてここに来て、出されたものはココアだった。粉が多めで、ミルクも冷たくて全然溶けていないココア。
華がどんどん大人になっていくにつれて、ちゃんとした飲み物や食べ物が出てくるようになって。昔を遡れば、遡るほど、酷いものが出てくるであろう。