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Ghost Ability  作者: 紫乃
Season 5
160/180

まぶしい光 ⑥



「からすって、何でついたんですか?」


『翼が黒かったから…』



ひなたと楓ちゃんに置いてかれてから、しばらく沈黙が続いていた。

ずっと気になっていた疑問。からすという名は可愛いし、いい名前だとは思うけど、どうしてその名になったのか。からすみたいに腹黒くはないと思うし、どうしてなのだろう。

そう思うと、口から出ていた。



「今はもうグレーですね」


『そうですね』



こうやって話をすると、悪い人だとは思えない。この人と話していると、全てが謎に包まれている。

どうして、なんで、全て聞きたくなる。



「飲み物、何が好きですか…?」


『飲み物…?』



ああ、飲んだことないのかな。待って、そうなるとどうやって生きてたの。

疑問が重なる。とりあえず、なんてひなたに最初に渡したココアを入れた。



「はい、どうぞ」


『…ありがとうございます』



まだ抜けない敬語に、少し違和感を感じながらも、どこか気まずい笑顔で返す。

まるで、楓ちゃんみたいだなあ、なんて考えながら。



「味、大丈夫ですか?」


『…甘い』



ぼそっと呟いた言葉。でも興味津々にそのココアを口に含む。本当に少しだけど、彼が笑った気がした。それだけ気に入ってくれたんだな、って思うと私も口元が緩む。



「…なんですか』


「いや、何でもないです」



顔は整っている。イケメンだ。これは好きになるチャンスってやつなのかしら…。

そんなことを思っていると、後ろからバコン!と頭を叩かれる。



「いった…」


『そんなこと考えているから、彼氏ができないんだろ』


「え、ひなた!」



私の頭に綺麗に痛さを広げたのは、やはりひなただった。

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