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Ghost Ability  作者: 紫乃
Season 1
16/180

愛してるの意味 ⑥

・・


あの日から約3週間。情報を集めるのに苦労していた。どこを探しても出てこない。情報は、楓の幼き記憶だけ。

それを元に探し求める。





『華、銀行に行け。』


「なんで。」


『強盗が現れる。中島杏子のところだ。』





いちょう銀行。多くの大金がそこに運ばれ、多くの人々がそこを利用する。それを知っときながら、強盗に入る人はすごいと思う。


そう思いながら、楓と華と共に走る。



楓はあの日以来、私たちの家に出入りし始めた。今の場所が居心地がいいんだろう。






「ひなた、来たけどどうするの。」


『通帳から、千円だけ引き出すんだ。』


「わかった。」







楓はまだ15歳のため、通帳を持っていない。だから華が今引き出している。

すると、黒づくめの男が入ってくる。







『楓、覚悟しろよ。』


「もとから、覚悟してます。」


「おまたせ。」








3人揃って、ソファーに腰をかける。

ふかふかなその座り心地とは真逆に、その男は銃を向け、お金を要求、そして客全員の手足をロープでしばった。







「我慢して。」


「そのつもりです。」


『私は見えないから楽だな。』









笑ってそう言ってやる。しばらくして、楓とその男が目を合わせた。

私はそいつの行動を読もうとした。


……え、読めない? どうして……。


こんなこと、今までの中で初めての出来事だった。








「お前、来い。」


「え……」


「楓ちゃん、気をつけて。」


「来い。」







やばいかもしれない。桜と同じ道を辿らせることはしたくない。

どうか、無事に……。







「久しぶりだな。」


「え、」


『そんなこと、言える立場なの?』






そう言って私は楓に向けられている銃を取り上げる。でも、みんなからは見えないから、銃が浮いているように見えるわけで。






「いい加減にして。」


「あ…?」


「私を殺しておいて、お姉ちゃんまで殺そうとするつもり?」


「楓ちゃん……?」







楓じゃない。これは、桜だ。

まさかとは思うが、憑依、した……?

このままだと、楓の命が危ない。







「桜、今すぐ楓の体から出ろ!」


「殺すなんて、許さない。もう、殺させない。」







桜は、男の目をじっと見つめて離さない。そんな時、パトカーの音がした。


やっと来たか、警察。全く動きが遅い。









「楓ちゃん!」


「華さん…」


「大丈夫だ。意識はある。きっと、安心して力が抜けたんだろう。」





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