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Ghost Ability  作者: 紫乃
Season 5
158/180

まぶしい光 ④



『失礼します、来ましたよ。紫さん』


『失礼します、黒木ひなたです』


「失礼します、山田…楓です」



まだ楓は慣れないらしい。普通の家に比べると、こんな緊張感を味わうことはまずないだろう。この家が特殊だから。



「いらっしゃい」



目の前に座ることさえ、気まずい。正座をして見つめる紫さんの威圧感にやられそうだ。その瞳に見つめられるのがどうしても怖くて。



『今日は…、どのような…』


「ひなたちゃん」



最後まで言わせてもらえない。分かってはいたけど、どこかきつい。それに、私だけを見つめるから、怖い。



「あなた、はちみつの香りがするわ」


『はちみつ…?』



はちみつの香りで思ったのは、からすの存在だった。前もこのメンバーでいた時に香っていたのははちみつ。嫌な予感というものは当たってしまうのだろうか。



「風の噂で聞いたの。誰があなたたちの近くに…」


『彼は悪人ではありません。今の紫さんの言葉には語弊があります』



このことか。どこか納得してしまった。

華はまだ親しくないから。楓と私が一番近くにいたから。だから呼び出しを食らったのは私と楓だったんだ。



「それはまだ…」


『分かるんです。いた環境が悪かっただけ。人は見た目よりも中身ですよ』


『ひーちゃん』



やばいことを言ってしまっているのも分かっている。でも、どうしてもそのまま言わしておくのが嫌だった。

いい人なのに。どうしてここまで言われなくてはならないのか。



「ひなたちゃん」


『まだ、何かあるんですか』



私たちもそろそろ足の限界を迎える。できるのなら、早く終わらせて、早く華の元に帰りたい。



「これから何かが起きる。あなたは全員を守り抜くことができる?」


『紫さん』


「考えてごらんなさい。誰も死なせないで」


『え…』



考える時間は少なかった。知らないうちに紫さんはその場からいなくなっていて。

私が考えても考えても、答えは出てこなかった。

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