14/180
愛してるの意味 ④
**
「桜……」
『お姉ちゃんさ、あの時お母さんたちに全部言った?』
「え、」
『全部は言ってないよね。』
図星。全部は言えなかった。このまま全部言ったなら、桜が可哀想で。
『言ってないって言っても、私の言葉だけでしょ?』
笑いながらそう言う桜が、まるで生きてるみたいで。昔が蘇ったみたいで。
泣きたくないのに、涙が出てくる。
『泣かないでよ、お姉ちゃん。』
「桜は、ああなること、知ってたの、?」
『たまたま夢で、あの光景を見たの。私の夢ではお姉ちゃんが殺されてた。だから、それだけはどうしても避けたくて。』
「だからって、桜が、いなくなったら、意味ないじゃん……。」
もう、涙しか出てこない。久しぶりに会話をして、久しぶりに桜の顔をちゃんと見れた気がする。
アルバムとか整理しても、桜の顔だけは見れなくて。
『お姉ちゃん、幸せになってよ。私の分まで、人生を楽しんで。』
「あの時、守ってあげられなくてごめん。」
『お姉ちゃん、大好きだよ!』
「私もだよ…、でも、私は愛してるよ!」
**