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Ghost Ability  作者: 紫乃
Season 4
135/180

英国の訪問者 ⑥


『どうしても、ダメですか』


『今の私たちがあの子に会ったとしても…』



難しい。その一言だった。

今の私たちが。彼女たちはそう言って、会うのを拒否する。

会ってしまえば終わるんだ。面会する。ただそれだけなのに。二人の全てを、今のあいつに。



『あの子が、園田理人くんが。会いたいって、来たんです。あの子の願いを叶えてくれませんか』



今はそう言って頭を下げるしかない。

強引にいうよりも、丁寧に、ただただお願いするしか。



『黒木さん…』



お受けします。

そう聞こえた気がした。

会わせられる、楓と同じ状況のあいつに。そう思うと、感極まって目が潤う。



『なんで、泣いているんですか…!』


『ありがとうございます…』



これで、やっと。あいつの中の疑問が解けるんだ。

良かった。

その一言で。ずっと謎があるよりも、解決できるならそっちの方が断然いい。そう思うと嬉しくて。こんな気持ち、あるとは思わなかった。

嬉しい、って感じられて、感情を露わにすることすら滅多になかった私が。

サインをしてもらって、私はすぐに連絡を入れた。

連絡は次々と回って、あっという間だった。私が華の元に戻れば準備完了で。



「ひなた」


『もう来れるって?』


「ええ」



それからと言うもの、園田理人は、すぐ私たちの元へやって来た。汗だくになりながら。



「会えるって…」


「はい。交渉が取れました」



至って華は冷静に続けるんだ。



「覚悟はいいですか?」



私はその言葉を合図に全てのプログラム風景を変えた。驚いている園田理人を横目に、私は華の肩をトン、と叩いた。



「それでは、楽しいひと時を」

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