英国の訪問者 ①
華も正常になってきて、いつも通りの生活が戻ってきた頃。
全ての空気がまた変わり始めて、どこか違和感を感じていた。どこか気分を害している、というかなんと言うか。わかりづらい。
「ひなたー?」
『…っ、なんだ…。』
「そんなにびっくりしなくても…」
考え事をしていれば、話しかけてくる華。いない、と思って考えている私からしたら、びっくりして気持ちを隠せない。
『用件はなんだ…。』
「レモネード、冷たいのにする?それとも温かいの?」
『…冷たいの。』
華のいつも通り。それがきっとこれであって、他のことをし出してしまったら、いつも通りではなくなる。これがいつも通りなんだな、なんて。
「はい、冷たいの。」
『ありがと。』
薄黄色のレモネードが、普通のコップに入って、私の元まで運ばれてくる。
その少し透明のそれを見て、私は少しだけ黄昏た。
「理人…!」
学校が終わって、家に入ると見知らぬ男に銃を向けられている両親がいた。
あいにく僕は一人っ子で、家の中には両親だけ。
「理人!出てけ!」
「こいつが息子?」
「お願い!理人にだけは!」
僕はこの現状がよくわかっていなかった。どあして、母と父はこんな風になっていて、銃を向けられているのか。
幼い頭で考えて考えて、僕はそこから逃げ出したんだ。
「理人、生きなさい…」
その言葉が最後に聞こえた気がする。次の瞬間、大きな銃声が聞こえた。