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Ghost Ability  作者: 紫乃
Season 1
13/180

愛してるの意味 ③


全てを言い当てられて怖かった。このままだと私の本音までバレてしまいそうだ。そこにいるのもやっとだった。

早く話をして帰ろう、そう思ってると聞こえてきたあの声。


『相手は子供。優しくしてやれ。』


まわりから見たら、まだ子供かもしれない。でもあの時、どうして桜があんなことを言ったのか分からなかった。


『私が囮になるから、お姉ちゃんだけでも逃げて』


どうして、こんなことを言ったのか知りたい。あの時は私よりも冷静だった。まるで、こうなることがわかってたみたいに。


私はいつの間にか、あるビルの屋上にいた。









『華、山田楓ならあのビルの屋上だ。』


「なんで、」


『私の力をなめるな。場所特定なら簡単だ。』








楓がこのビルに入って行くところが見えた。もしかしたら、自殺を考えてる可能性がある。


そう華に伝えれば、急いでビルの屋上への階段を駆け上がった。

カタカタと音を立て、屋上の扉を開ける。今の時期、生ぬるい風が体にあたる。


楓はその中、フェンスに座って街並みを見つめていた。






『山田楓、気を早めるな。こんなこと、妹も両親も望んでないはずだ。』


「誰もがそういうけど、実際は分からないじゃん。」


『お姉ちゃん。』







私たちはあの後、急いで桜との連絡を取った。楓の望んでいること、理由、全てを伝えれば快く引き受けてくれた。







「なんで、桜が、」


「会いたかったんでしょ?私はあなたの全てを知ってる。」


「私の全てって…。」


「山田楓、15歳。2001年8月10日生まれ。四年前の事件で妹を亡くし、妹の最期の言葉を解明したい。」







華がそう言うと、楓の顔は青ざめていった。

私は、その姿を見るのが楽しい。まあ、そんなことを言えば、華に怒られるんだけど。

でも言ってるのは華自身であって、私自身ではない。だから、私が何を思おうと、私の勝手。







「楓ちゃん、聞くことは聞くんだよ。あなたの一生で使える二回のうちの、貴重な一回を使ったんだから。」


「私たちは室内にいる。」






そう言って、その場から去る。

二人にしてあげた方が話したいことが話せるから。



これが私たち流の “ ゴーストアビリティー ”。

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