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Ghost Ability  作者: 紫乃
Season 4
126/180

紅の真実 ④



『真紅。』



昔のことを思い出していたようだ。人間の醜い姿を見て、笑う惨めな自分。

今の私は一体何をしたいのだろう。



『何を考えているんだ?真紅は。』


『それは、俺にもわからない。』



ラベンダーとはちみつが混ざるこの空間で、一番匂いを悪化させているのはフローラル。私自身が、香りを汚くしている。



『行かなくていいの? 黒沢華の元へ。』



ゆらりゆらりと揺れる炎と、からすが座るロッキングチェアのキー、という音。

その中で私は、密かに炎を消した。




・・

最近の華は、頭を悩ませがち。全てにおいてしっぱいしている。

私にしたら日常茶飯事だが、楓からしたら別問題。



「どうしたんですか、あれ。」


『知らん。』



何があったかなんて、私が知るはずがない。

華のことを全て知っているとでも思ったら、大間違い。

…まあ、ある程度は知っているけど。



『華。』


「んー? 何、忙しい。」


『一回落ち着け。』



その瞬間、持っていた様々なプリントがばら撒かれる。そこに書かれていたのは、今までゴーストアビリティーを使用してきた人たちの名前。



『これ…、どうしたんだ。』


「私が担当してきた人たちの中で、何か共通点があるのかなって。」



" ない " とは言い切れない。

華がゴーストアビリティーとして活動をし始めてから、今まで以上に忙しくなった。

これまでは、私たちを使う人は年に数名。それが急に数十名と化したこの現状に、私が一番驚きを隠せない。



「でも、もう少し落ち着いてからやるね。」



どこか落ち着かない。それは、きっと華じゃない。

この私だ______。





" ええ、いいですよ。 "


そう言って、私に会わせようとする影。

死者と生者を巡り合わせるこのシステムを、私も使ったことがあった。" 一回死んでから。 "

あの時の記憶が今も脳裏から離れない。

私は一回、水没事故で亡くなった。でも、彼が、私を生き返らせてくれたの。だから、今の命は、二度目の命。大事に大事に使わないといけない命。

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