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Ghost Ability  作者: 紫乃
Season 4
123/180

紅の真実 ①


珍しく、いつもより明るいこの世界。いつもなら、キャンドルの炎だけの部屋なのに。

あーあ、何か違う景色ね。

私は黒いローブを着て、廊下へと足を踏み入れた。



『真紅、仕事だ。』


「はいはい、やればいいんでしょ。」



最近はめんどくさい、その気持ちの方が勝っている。

だからか、心に迷いが現れてしまっている。



『真紅。』



私がここにいるのは、あなたを救いたいから。だから、あなたのもとにいるのに。



「ねえ、黒沢華ってどういう子なのよ。」



一段と興味が湧いた。だって、あんなに動き回ってるから。この子のために。だから、私が綺麗な芽を…。



「黒沢華は…。」



話してくれるその声と、見つめる瞳。何もかもが私とは違う。どこが、とは言い難いけど、何か違う。

私は楽しそうに話すあなたをじっと見つめた。

生者の世界と死者の世界を行き来する私は、もう死んでいるのか生きているのか、わからない。



「真紅。」


「なによ。」


「黒沢家と黒木家を簡単に見ては行けないわ。」



わかっていることをわざわざ言いにきたの。

喉元まで、その言葉が出そうになっていた。そんな簡単に言ってはいけないもの、わかってる。

でも、この子は私の中で3位くらいに嫌いなやつ。

とは言っても、この子は私がどう動くかを知ってて、言いにきたのかもしれない。



「勝手な行動は許さない。」


「そんなの私の勝手よね?」



にっこり微笑んで言ってあげる。私にも、誰でも自由はあるもの。それを制限される必要はない。



『なーにしてるの。真紅と柘榴。』


「なにもしてないわ。」


「私、もう行くから。」



このチームはなにも考えてない。というか、考えられない。自分の意思だけで動き、何もかも自分が一番だから。

私はそんなことを考えながら、生者の世界へと足を踏み入れる。

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