表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Ghost Ability  作者: 紫乃
Season 4
122/180

碧い風 ⑦



『話したい…ことは…、もう…』


「なに?」



言いたいことはわかっている。でも、それにわざとかぶせるように追い詰める。

強く言えば言うほど、こいつはビクビクするんだ。



「言いたいことがわからないよ?」


『だから…、』



もう言えないの。なにも。俺の目も見ずに、ずっと地面とにらめっこしてる。

もっとこれから、と思った時。



『時間だ。』



見知らぬ人が中に入ってくる。



『とっとと、華の元に戻れ。』


「指示するな…」


『黙れ。行け。』



もう黙って行くしかなかった。

出るとすぐ近くにいた黒沢華。



「終わりましたか?」


「…はい。」



今日はありがとうございます。それだけ言って俺は、黒沢華の元から離れる。


後ろを振り向いてもまだ頭を下げているやつの姿を見て、どこかムカついてくる。

しばらく歩いて、黒沢華も、黒木ひなたも見えないところへ行くと、俺は煙のように姿を消した。

たどり着いた先は、もちろん。



『碧。』


「黒沢華の力は本物だ。」



黒いスーツにキラキラをあしらっている、豪華なものに身を包んでいるこいつは、俺らのトップだ。



『黒木ひなたは。』


「誰だかわからなかったよ、鳳。」



見えるくせに。鳳は俺にそう言うんだ。

確かに見えるって言えば見えるし、見えないって言えば見えない。

物は言いよう、なんてね。



「これはどこに報告?」


『本当は翡翠様と言いたいところだが、今日はいないから…』



" からすに。 "


黒いカーテンが密かに揺れて、近くにあったローズのキャンドルの炎を消した。








華が目を覚ましても、納得できないところはいくつもあった。

華が目を覚ます前に見ていた夢とは何なのか。


" 華が全てを失った時、わからせてあげる。 "


人を恐怖感で支配するのが上手なことで。でも、私が心配なのは楓の方なんだ。

絶対に近付かせない。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ