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Ghost Ability  作者: 紫乃
Season 4
117/180

碧い風 ②


『華!?』


「華さん!」



目が開いていた。新たな世界の旅立ちとは、このことなのか。


急に冷える身体と、窓から入ってくる生温い風。

夢で見たあの景色は、あの人は、何なのか。私の中では疑問でしかない。

でも、一番の疑問は…



「私が、全てを失った時に…」


『華…?』


「分からせてあげるよ…。」



そう言った彼の顔が頭から離れない。影をまとったような、闇の人間。神々しい光を放つくせに、実際は違う。そんな感じ。



『華…、お前…、』



“ どこでその言葉を聞いたんだ。 ”


何かを恐れているような、そんな表情で私に問いかける。

ズキズキと痛む頭と、この胸は、何かと一致しているらしい。


そんな時に、インターホンが鳴る。



「私、出てきますね。」



楓がそう言ってこの部屋から出ていくから。今は私とひなたと二人。私はそのまま、ひなたを見つめた。



この時間に何ができるだろう。楓がいない、二人の時間で。

そんなことを考えていると、現れる楓。



『どうした、楓。』


「お客様です。どうしますか?」



まだ正直言って、華も元どおりのわけではない。

そんな状態で仕事をこなせるとは思えない。



『今日は帰って…』


「楓ちゃん、行くよ。」



しっかりと身体を起こして、楓の目をしっかり見ていた。

その瞳はしっかりと瞳孔が開いて、いつもの華そのものだった。

でも、心配なものには変わりはなくて。



「では、ご案内します。」



それと同時に華もすぐに着替えを済ませ、一階のリビングへと足を進めた。

既にリビングのソファーで座っていた一人の青年。

恐らく、華と同世代くらいだと思う。



「あっ…、」


「初めまして、黒沢華です。」



“ 初めて…なのか、この人は…。 ”


華の心はそう呟いている。華がそう思っているということは、この人は初めてではなく、 “ 2回目 ” なのかもしれない。


でも一つ言えることは、私はこいつと会ったことがない。

華が思うってことは、どこで…?

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