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Ghost Ability  作者: 紫乃
Season 4
112/180

奪還 ④


「何を考えているんですか?」


『それよりとっとと考えろ。華を救う方法。』



そう言うと、体勢を取り直して、紫さんの方を見る。

少しホッとすると、急にはちみつの香りが鼻をくすぐる。今まで、こんなことなかったのに。

嗅いだことのないこの香りに、戸惑いを覚えた。



『どうしたの?ひーちゃん。』


『はちみつ…。』



はちみつの香りなんてしない、とおばあちゃんは言う。1人にだけ香る匂いなのだとしたら、さらにわからない。

ただ、一つ言えることは、華の香りではない。確実に。冷華として、匂いを変えられていなければ。



「どうかしたの?ひなたちゃん。」


『いえ、何もないです。』



ただ、そう言うしかなかった。誰もこの香りがわからない。そっと、縁側の方を見ると、肩に黒い羽をくっつけた男が立っていた。



『え…、』



動揺しすぎて、声に出てしまっていた。その声を拾うものはいなくて。

そいつは、ニヤッと笑った。私はその瞳に捕らわれ、何も考えられなくなる。



『誰も逃げられなくしよう。』



瞬きをした瞬間に、彼の姿はなくなっていた。その代わり、近くの池を黒い蝶が羽ばたいていた。



「ひなたさん?」


『紫さん、楓もそろそろ時間が。』


「そうね。明日の予定は?」


「明日は、特にないです。」



その言葉を聞くと、ホッとしたように “ また明日 ” って言うんだ。

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