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Ghost Ability  作者: 紫乃
Season 3
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洗脳 ①


目を覚ますと、純白のドレスを着させられ、お人形さんのような状態だった。



「起きたのか。」


「あなたは…?」


「初めまして。」



名乗らない彼を、私はじっと見つめていた。どこか知っているような、その雰囲気と、どこかで嗅いだことのある香り。



「黒沢華。いや、お前は今から冷華だ。」



冷華…? 私の名前…?


頭の中に疑問はたくさん出て来るけど、もうそゆなものはどうでもいい。

私は今から冷華なんだ。






「黒木ひなた。」


『お前…っ、』


「黒沢華は、いや冷華は…」



“ もう、こっちの物だ。 ”


その言葉を聞いた瞬間、何がなんだかわからなくなった。

華がそっちにつくはずがない。



『華に何をした…っ!』


「何もしていない。勝手についてきたのだ。それに、今お前は囚われの身。勝手に動かないだろう。」



正論だ。私は今動けない。華を救えないんだ。



「翡翠様。」


「どうされた。」


「鳳が会議を開いております。ぜひ。」



鳳。名は聞いたことがあるが、実際に会ったことはない。

どうにかして、ここから出る方法を考えなくては。彼らがその「会議」とやらに言っている間に。



「分かった。では行こうか。」



よかった、行ってくれる。そう思ったのも束の間。



「あとで。」


『え、』



あとで。その言葉は、今行くのではなく、あとで。

こいつは、私の元から離れる気がない。

じとっ、と見つめるその瞳は、私しか映らないようにしている。他のものなんて、眼中にない。それくらい、私を恨んでいるんだ。



「黒木ひなた。お前はもう逃げられないのだ。」



その言葉が永遠と頭をループする。

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