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魔物に支配された異世界で、今日も俺は冒険する  作者: Kneeさん
アンダーワールド脱出編
6/29

優しさ

春ってポカポカしてていいですよね(*´ω`*)

 「ごめんルル! 遅れた!」



 視界に落ち着かない様子で辺りをキョロキョロするルルが入った瞬間、俺は思い切り叫んだ。

 周りから視線が集まるが今は構っていられない。



 「ら、ライト! 心配したよ!」

 「本当にごめん。 少し迷っちゃって」



 柄の悪い連中と戦った事は言わない方が良いだろうな。



 「途中で記憶が戻ったのかも…とか、倒れちゃったの…とかって思ったら落ち着かなくて」



 目に綺麗な涙を少し浮かべながら、俺を見上げるルル。

 透き通るような青い髪と、その綺麗な…というよりは可愛い顔の破壊力は俺の心のハートをいとも簡単に射抜こうとしている。



 「本当に…良かったの…」

 「ぐはっ」



 涙を浮かべつつ、優しく…にこっと微笑んだルルは、俺の大切な何かを盗んで行った。



 「えっ、ライト? 大丈夫!? おーい!」

 「ハッ! わ、悪い、大丈夫だ」

 「おかしな人だなぁ、ライトは。 さ、ご飯出来てるから中入ろう」

 「……おう」


 こうして、俺の初恋が始まったのだった。


 …違う!違わないけど違う!

 俺達は夕食へと足を進めたのだった。



 ◇



 夕食を終え、風呂(魔法で湧かせたお湯)で身体の汚れを落とした俺は貸してもらった部屋で休んでいた。


 といってもやりたい事が何個かあり、今はステータスの確認をしようとしていた。



 「んーと、メニュー開いて…ステータスっと。」



 ステータスを選択し、念じる。

 すると目の前に俺のステータスが表示された。



 =====

 名前:ライト

 レベル:3

 年齢:18

 種族:人族

 性別:男


 HP:300/300

 MP:300/300


【所持特殊技能(ユニークスキル)

 ・《地形図(マップ)

 ・《言語理解》

 ・《技能習得簡易化》

 ・《取得経験値2倍》

 ・《技後硬直無効》

 ・《???》

 ・《???》


【所持技能(スキル)

 ・《剣術》Lv.4 (スラッシュ〜クワドラスラッシュ、閃光斬)

 ・《格闘術》Lv.3 (掌打)

 ・《鑑定》Lv.3

 ・《気配感知》Lv.2

 ・《殺気感知》Lv.1

 ・《縮地》Lv.2

 ・《恐怖耐性》Lv.3

 ・《緊張耐性》Lv.1

 ・《苦痛耐性》Lv.1

 ・《隠密》Lv.1

 ・《HP自動回復(小)》Lv.2

 ・《戦闘時HP自動回復(中)》Lv.1


【所持スキルポイント】

 100pt (1スキルポイントにつき1つスキルのレベルを上げられる。)

 =====



 おお、シンプルでわかりやすいな。

 STRとかINTとかって俺には良くわかんないから助かるぜ。

 レベルが既に3なのはさっきの喧嘩?のおかげかな。 それと《取得経験値2倍》の効果もあるだろうな。

 スキルレベルもちょっとずつ上がってるのがあるみたいだ。

 HPとMPが300ってのは、レベル×100が1番妥当な推測だろう。


 よし、この状態で新しくスキルを取ってみるか。

 新しく取るのは《水魔法》だ!

 さっき風呂に入った時に見せてもらった。 殺傷能力は皆無で、この世界での魔法というのは全て生活魔法の様なものらしい。



 「確か…水を鮮明にイメージして、体内の魔力をそれに変換する感じ……!」



 俺の体内の魔力(今初めて感じた)が掲げた右手に集まる。 一応威力は最小限、ピュッって出るのをイメージして…。



 「ほっ!」



 俺の変な声と共に、右手の掌から水がピュンッ!と飛び出し岩で出来た屋根に小さく穴をあけた。


【《水魔法》を習得しました。】


 ……うん?

 殺傷能力ないんじゃなかったっけ。 屋根に穴あいたんだけど。

 てかMPがやばい。 今ので150も持ってかれた。 俺の全MPの半分!


【《MP自動回復(小)》を習得しました。】


 …おお、一石二鳥…なのか?


 ステータス画面の変化を確認してみるか。






 =====

 名前:ライト

 レベル:4

 年齢:18

 種族:人族

 性別:男


 HP:400/400

 MP:253/400


【所持特殊技能(ユニークスキル)

 ・《地形図(マップ)

 ・《言語理解》

 ・《技能習得簡易化》

 ・《取得経験値2倍》

 ・《技後硬直無効》

 ・《???》

 ・《???》


【所持技能(スキル)

 ・《剣術》Lv.4 (スラッシュ〜クワドラスラッシュ、閃光斬)

 ・《格闘術》Lv.3 (掌打)

 ・《水魔法》Lv.1

 ・《鑑定》Lv.3

 ・《気配感知》Lv.2

 ・《殺気感知》Lv.1

 ・《縮地》Lv.2

 ・《恐怖耐性》Lv.3

 ・《緊張耐性》Lv.1

 ・《苦痛耐性》Lv.1

 ・《隠密》Lv.1

 ・《HP自動回復(小)》Lv.2

 ・《MP自動回復(小)》Lv.1

 ・《戦闘時HP自動回復(中)》Lv.1


【所持スキルポイント】

 100pt (1スキルポイントにつき1つスキルのレベルを上げられる。)

 =====




 スキルが増えてる…!

 それにレベルまで上がってる!

 これは凄い。 MPが253なのは水魔法使ってから自動回復が発動したからかな。 あ、254になった。


 何かこの成長速度とスキル量、チートじゃね? いや、他の人の知らないから分かんないけどさ。


 そうだ。 《鑑定》で《水魔法》を調べてみよう。

 あれのどこが生活魔法なんだ。


  《水魔法》

  水を創造・操作する魔法。


 …え、それだけ?

 マジですか。

 使い手が問題なのか? いや、でもここで暮らす人々は《水魔法》を生活魔法として使ってるみたいだし…。

 俺が特殊? 流石に自惚れすぎか?


 ああ! ぜんっぜん分かんない。

 よし、放置しよう。


 明日は朝早くから道場へと向かわなければならない。

 そこで《剣術》を学ぶ人達のお手伝いだ。

 取り敢えず生活が安定するまで頑張ろう。



 ◇




 「ライトー、朝だよー。 起きて~!」

 「後5分……」

 「5分ってどうやってはかるの! 起きて!」



 バサァ…と俺の大切なオフトゥンが捲られる。

 やめてくれぃ、俺は朝に弱いんだ。



 「朝ごはん出来てるから、早く降りてきてね」



 あ、そっか。 俺には仕事があるんだった。

 もう高校生じゃないのか…。

 ま、でも「朝から可愛い娘に起こしてもらえるなんて最高だなぁ」…。



 「へっ!? か、可愛い!?」

 「あ、やべ。 口に出てたか」

 「可愛い…? 私が…?」



 あれ、何か紅くなって1人でぶつぶつ言い始めちゃった。

 ルルさん、貴女もしかしてチョロインさんなの?

 そうなのっ?



 「と、とにかく! 早く1階に降りてきてね!」

 「お~う」



 もう1度オフトゥンに包まれたい気持ちを頑張って…相当めちゃくちゃスーパー頑張って押し殺し、俺は朝の準備を始めた。



 ◇


 下に降りていくと、何やらいい香りがしてきた。



 「おはよう、ライトくん」

 「おはようございます、リーラさん」



 俺に挨拶をしてくれたのはルルのお母さんであるリーラさんだ。

 ルルと同じ透き通った青い髪がとても綺麗だ。


 「さあ、座って。 あなたも新聞なんて読んでないで、食べるわよ」

 「ああ、済まない。 じゃあ食べようか」

 「「「「いただきます」」」」



 どうやらこっちの世界でも食事の挨拶は同じな様だ。

 というかこの世界の神ってめちゃくちゃ高級品だったような…? ドラタさん、その新聞いくらしたの…。



 「あ、お父さん!」

 「なんだ?」

 「ララは今日帰ってくるの?」

 「ああ、やっと《強斬(スラッシュ)》が習得出来たからな。 帰ってくる」

 「やった!」



 ん?ララ?



 「あの、ララさんって?」

 「あ、私の妹だよ! 私が16でララが11だから、丁度5歳差なの!」

 「へぇ、ルルの妹って事はララも可愛いんだろうな」

 「うん、凄い可愛いよ!」



 あれ、照れるかと思ったんだけどな。

 “ルルの妹って事は”って所より“ララ可愛い”に反応したんだろうか。

 妹が大好きなんだな。



 「それにしても美味しいですね、この…月光芋というのは」


 口に含むととても柔らかくホクホクで抵抗なく溶けていく。それでいて“芋”らしい食感があり、物足りなさも感じない。

 俺は美味しいと思った芋の名前を《鑑定》で調べ、感想を言った。



 「ええ、昨日ルルが買ってきてくれたのよ」

 「隣の街でしかとれない特別なお芋なんだよ!」



 そんな大切そうなものを俺が食べてしまっても良かったのだろうか。



 「気にしないで食べていいよ。 ルルが沢山買ってきてくれたんだ」

 「ドラタさん…、ありがとうございます!」

 「どういたしまして。 それにしてもライトくん…」

 「はい?」



 ドラタさんの視線が少し鋭くなる。



 「君…《鑑定》を持っているのかい?」

 「…えーと、はい。 《鑑定》って持っていると何かあるんですか?」



 俺が少し緊張しながらそう聞くと、ドラタさんは優しく微笑んだ。



 「ああ、《鑑定》を持っていれば色々と就職に便利なんだ」

 「そうなんですか!」

 「はやく職が見つかるといいね」

 「はい!」



 ルル1家の優しさが心に染み渡っていくのを感じた。



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