祀り
掲載日:2016/04/30
随分昔の話だ。
小さいころに、当時住んでいたところでは、各家ごとにとある神様をお祀りしていた。
名前も知らない、姿形も見たことがない神様だ。
なんでも、随分昔、ご先祖様がその神様を助けたことが縁で、祀りつづけたら福が来るといわれたらしい。
年に一度、お正月には親戚一同勢ぞろいでその神様を祀る。
分家や、今は断絶したところに別けられた神様も、みんなみんな祀っている。
断絶した家のところの分祀した神様は、お正月の幕の内が明けてから、一緒に天に帰っていただく。
今、俺が住んでいる家では神棚を置くスペースがない。
分家の分家の、さらに分家ということもあるうえに、神様をあまり信じていないこともあって、俺はそれでもいいと思っている。
福が来なくとも、家はあるし、子供や妻もいるからだ。
これ以上の福を求めることは、したくないからだ。




